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『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』

紅ゆずる、コメディの場面もホロリとさせる場面も…素直に楽しんでいただけたら

真名子陽子 ライター、エディター


拡大『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』に出演する、星組の紅ゆずる=安田新之助撮影

 2007年にインド国内で大ヒットした映画『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』。ボリウッドの粋を極めたこの映画を舞台化し、宝塚歌劇団星組新トップコンビ、紅ゆずると綺咲愛里のプレお披露目公演として、1月に東京国際フォーラムで上演。1970年代と現代のインド映画界を舞台に、時を超えてもなお変わらぬ愛の姿を、明るく楽しく歌い踊って描き出した、ハッピーでドラマティックな物語。東京公演からさらにブラッシュアップして、梅田芸術劇場メインホールに登場する。

 主人公の脇役俳優オーム・プラカーシュ・マキージャーとスター俳優オーム・カプールを演じる星組トップスター、紅ゆずるが、大阪公演にかける意気込みを語ってくれた。

セリフも振付も一から、新鮮な感覚で取り組む

拡大『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』に出演する、星組の紅ゆずる=安田新之助撮影

――『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』を、大阪で公演されることになりました。

 初演の東京公演はお正月の時期で、やはり“東京まで観に行けない”という声も多かったので、今回、大阪で公演することになって良かったなと思います。

――プレお披露目公演でしたが、トップスターとして初日を迎えた気持ちはいかがでしたか?

 お客さまの拍手がすごくて、「ON」になっていたスイッチがさらに「ON」になりました。お芝居中はお客様の顔は見えませんが、熱気が空気感で伝わってくるんです。とてもありがたくて、自分の勢いだけでなく、周りから押し上げられるものを感じました。お客さまの反応があるからこその舞台で、それで間(ま)が決まります。

――今回、出演するメンバーが変更になります。

 東京公演とは、オームを取り巻く主要メンバーが変わっていますので、新しい作品を一から作っているという感覚です。間に大劇場公演『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』がありましたので、正直、あまり鮮明には覚えていないのですが、それで良かったと思います。鮮明に覚えていると、やはりたどってしまうんです。セリフも振付も一から覚えなおしたほうが、新鮮な気持ちで取り組めます。

とても楽しくて、幸せな毎日でした

拡大『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』に出演する、星組の紅ゆずる=安田新之助撮影

――『THE SCARLET PIMPERNEL』が大劇場のお披露目公演となりましたが、その感想と、それを経ての今作は、また違った見え方になるのでしょうか?

 『THE SCARLET PIMPERNEL』はひと言で言うと、とても楽しかったです。そう感じられるまでには、様々な難関が待ち受けていましたが、幸せな毎日でした。

 そして、宝塚大劇場、東京宝塚劇場の公演を経ての今作品ですが、やはり主演として大劇場に立たせていただくことで得られたものは、大きいのではないかと。きっと舞台に立ってから、ふとした時に気づくのかなと思います。

お稽古場では、笑いが絶えないということも

拡大『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』に出演する、星組の紅ゆずる=安田新之助撮影
――大阪での公演です。“笑い”に対して紅さんに期待されているお客様も多いと思います。

 大阪の方はおもしろかったら本気で笑いますし、おもしろくなかったら本気で笑わないですよね(笑)。シーンごとに楽しめる作品になっていますので、気軽に見ていただきたいですし、おもしろい場面では思いきり笑っていただきたいです。客席と舞台が一つになったと感じ取ることができるのは、笑いと拍手です。お客様には劇場で空気感を一緒に感じ取っていただいて、あの公演は楽しかったなと心の中に残ってくれれば、と思います。私自身は、役だけで笑わそうとするのではなく、どうすれば物語に沿っての笑いを届けられるか、考えながら演じていきたいです。とはいえ笑いだけではなく、この作品にはホロリとさせる場面もあります。笑いの要素も含めて、作品自体を楽しんでいただけたら嬉しいです。

――大阪のご出身ですので、笑いが身近にあったと思います。常に周りを笑わせよう、楽しませよう思われているのでしょうか?

 笑わせようと思っていなくても、何故か笑ってくださいます(笑)。おもしろい場面なら徹底的におもしろくしますが、すべてを笑いにしたいと思っているわけではありません。笑われたくないからとコメディに抵抗がある人もいますが、笑われているのではなく、笑わせているという感覚です。勿論、何をやってもおもしろいわけではないので、お稽古場では、すべりまくっています(笑)。照れが入るとダメなので、思い切ってやること。いろんな方向からアプローチできるよう、自分の殻をなくして、色付けしやすくすることが大事だと考えています。

新生星組、笑い合える関係性は以前となにも変わらない

拡大『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』に出演する、星組の紅ゆずる=安田新之助撮影

――新生星組の様子は? また、トップスターになって変わったことはありますか?

 皆、毎日元気過ぎてうるさいくらいです(笑)。組子たちと話すことがとにかく楽しくて、ちょっとしたことで笑ってしまいます。それが伝染してみんなが笑い出すのですが、お稽古が始まるとすぐにビシッと空気が引きしまります。ONとOFFの切り替えがハッキリしていると思います。

 この立場になり、下級生に直接注意することは控えています。下級生はそれぞれ動いてくれていますし、中堅の組子たちが下級生たちをまとめてくれていますので、私が直接言うことで、その流れがうまくいかなくなることがあると思うんです。それぞれの立場での責任がありますから、私が言って良い時か悪い時かを考え、状況を見ながら稽古場での居方を考えています。みんなの雰囲気を察知するようになり、組全体をよく見るようになりましたね。けれど、笑い合える関係性は以前となにも変わりません。

――2018年には、台湾公演が決まりました。

 2013年の第一回台湾公演に参加させて頂き、それ以来台湾から多くの方が宝塚まで見に来てくださいます。国外にもっとファンの輪が広がっていけばいいなと思うので、こういう機会を頂いてとても光栄です。台湾の方々はとても素直に受け入れてくださるので、演じるほうもすごく楽しいです。今回は主演で行かせていただきますので責任を感じますが、気を引き締めて、でも楽しむことを忘れずにいたいなと思っています。

◆公演情報◆
宝塚歌劇 星組 梅田芸術劇場メインホール公演
マサラ・ミュージカル『オーム・シャンティ・オーム -恋する輪廻-』
2017年7月22日(土)~ 8月7日(月) 梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
脚本・演出:小柳 奈穂子
[キャスト]
宝塚歌劇団 星組 紅 ゆずる、綺咲 愛里 ほか
公式ホームページ

筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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