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【公演評】月組『All for One』

頼もしいトップスター珠城りょうと月組生が力を合わせた極上エンターテインメント

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『All for One』公演から、右からダルタニアン役の珠城りょう、ポルトス役の暁千星、アトス役の宇月颯、アラミス役の美弥るりか=岸隆子撮影

 月組公演、浪漫活劇(アクション・ロマネスク)『All for One』~ダルタニアンと太陽王~が、7月14日、宝塚大劇場で初日を迎えました。世界中で愛されている『三銃士』を題材に、演出の小池修一郎さんが新しく書き下ろし、明るくロマンチックな宝塚バージョンへと生まれ変わりました。

 太陽王であるルイ14世には、とんでもない秘密があった!? 奇想天外な設定から始まる物語は、ワクワクドキドキが最後まで続く、痛快なロマンチック・アクション・ミュージカルです。銃士隊の若きエース・ダルタニアンとルイ14世の禁断の(?)ラブストーリーと、個性豊かな登場人物たちが絡み合う“勧善懲悪劇”に、最後まで目が離せません。

 トップスター珠城りょうさんは、これが大劇場公演2作目とは思えないほどの包容力で、男役に負けない華と実力を持つ相手役の愛希れいかさんを大きく包み込み、頼もしさもすでにエース級。そんな若きトップスター珠城さんを組子が一丸となって盛り立て、全員野球のような熱いチームワークを感じさせる『All for One』。

 ――ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために。まさしく今の月組を象徴するような舞台でした。

愛希は懐かしい男役で、恋はどうなる?

拡大『All for One』公演から、ルイ14世役の愛希れいか=岸隆子撮影
――17世紀。太陽王と呼ばれたルイ14世(愛希)はまだ若かった。バレエに夢中で剣のレッスンに身が入らないことで頭を痛めた母アンヌ(憧花ゆりの)とマザラン枢機卿(一樹千尋)は、ある日、銃士隊のダルタニアン(珠城)に王の剣術指南役を命じる。だが初対面の手合わせでいきなり倒されてしまったルイは怒り、ダルタニアンに銃士隊を辞めるか解散させるか、どちらかを選べと強く迫るのだった。

 ゴージャスな太陽を模した冠、全身金色の衣装で、これぞ太陽王。大胆なルックスで登場する愛希さんは、ルイ14世役ですから当然男性…のはず。入団時から2011年に娘役に転向するまで男役だった愛希さんですから、ごく自然に演じているのはさすがでしょうか。ちょっと線は細いものの、しっかりと美青年になっていて、こんな姿を再び見られたのも、ちょっとお得な気分になってしまいました。

 ルイ14世はバレエが大好き。まもなくやってくるスペイン王女のマリア・テレサ(海乃美月)を歓迎する宴で披露するため、練習に余念がありません。それでも剣の腕には自信があっただけに、自分を負かしプライドを傷つけたダルタニアンには徹底的に冷たく当たりました。わがまま三昧な青年姿がとにかく愛らしいのですが、いくら可愛くても男ではラブストーリーが始まりそうにもありません。一体、どうなるのでしょうか?

◆公演情報◆
浪漫活劇(アクション・ロマネスク)
『All for One』~ダルタニアンと太陽王~
2017年7月14日(金)~8月14日(月) 宝塚大劇場
2017年9月1日(金)~10月8日(日)  東京宝塚劇場
[スタッフ]
脚本・演出:小池修一郎
公式ホームページ

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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