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被害者の欅坂46に暴力被害曲!秋元康氏の危うさ

繰り返される「炎上」、五輪起用はそろそろレッドカードでは?

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

「欅坂46」の握手会の会場。白い煙が上がっている=千葉市美浜区、参加者提供拡大発煙筒事件が起こった「欅坂46」握手会の会場。白い煙が上がっている=2017年6月24日、千葉市美浜区、参加者提供
 アイドルグループ『欅坂46』の新曲「月曜日の朝、スカートを切られた」が、ネット上で炎上しています。この曲には以下のような歌詞が含まれており、まるで性暴力の被害者に遭った少女に対して、泣き寝入りを勧めているような内容です。

 月曜日の朝、スカートを切られた
 通学電車の誰かにやられたんだろう
 どこかの暗闇でストレス溜め込んで
 憂さ晴らしか 私は悲鳴なんか上げない

実際の被害者が署名活動も始める事態に

 問題はただの炎上に留まりません。実際にスカートを切られる被害に遭ったことがあるという女子学生が、テレビでこの曲を耳にして「嫌な思い出が蘇り電車に乗るのがまた怖くなりました」と訴え、change.orgで署名活動を始めています。

 被害の状況を描いていながら、被害者をエンパワーメントする(力づける)わけでもなく、むしろ「私は悲鳴なんか上げない」というメッセージで“抑圧”をかけているわけですから、被害者が「セカンドレイプ」だと感じるのも当然です。

 「犯罪を描いているということならば、バイクを盗んだ少年を歌った尾崎豊の曲『15の夜』と同じではないか」という反論が出ているようですが、両者は全く違います。尾崎豊の曲は決して「バイクを盗まれても私は悲鳴なんか上げない」と、被害者に泣き寝入りさせるような圧力を述べた歌詞を書いたわけではありません。

 秋元氏は謝罪文を発表して、歌詞を変更するべきでしょう。

欅坂46の歌詞はリベラルセクシスト的だ

 また、同じ欅坂46の「サイレントマジョリティー」や「不協和音」の歌詞を見て気がついたのですが、これらの曲の主語は「僕(ら)」となっており、社会からの解放を訴えている内容です。ところが、「月曜日の朝、スカートを切られた」では主語が「私」となっていて、逆に抑圧をかける内容となっています。

 政治問題や男性に対しては非常にリベラルな主張をしているのにもかかわらず、相手が女性となると急に差別的な考えになる人のことを、ネットスラングで「リベラルセクシスト」というのですが、秋元氏のこの使い分けはまさにそうではないでしょうか? これは女性も男性も同じと捉えていないことが原因だと思います。

センターの平手友梨奈さんが倒れたのはなぜ?

 さらに、炎上事件が起こった直後のタイミングで、欅坂46で実際にトラブルが続いているようです。

 欅坂46は初の全国ツアー神戸公演で、センターを務める平手友梨奈さんが、体調不良のため、ライブの後半に倒れて離脱してしまったというのです。ライブの様子を報じる記事をいくつか見てみると、「他のメンバーたちの動揺は尋常ではなく、困惑する姿や号泣する姿が観客席からもはっきり確認できたほどだった」とのことで、プロのパフォーマンスとは思えない異常な事態です。

 ところが、運営側は2日目の8月3日にも平手さんを休ませることなく、強行出場させ、結果的に途中リタイアしてしまっています。

 もしかしたら平手さんが自らステージ登壇を願い出たのかもしれませんが、彼女はまだ高校1年生、16歳の子供です。自身の体調管理をしっかりとできないことを前提に大人が管理すべきであり、今回の事態は運営側の過失でしょう。

 さらに、問題はそれだけに留まりません。 ・・・続きを読む
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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、男女関係論、教育論など。女性の活躍を目指す企業の経営を支援する株式会社「リプロエージェント」の代表取締役CEOも務める。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。ブログは 『勝部元気のラブフェミ論』、Twitterは @KTB_genki、Facebookは genki.katsube

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