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『円生と志ん生』に出演、大空ゆうひに聞く/下

自分の中の「強さ」と「女性らしさ」が融合してきた今だから、演じるのが面白い

中本千晶 演劇ジャーナリスト


『円生と志ん生』に出演、大空ゆうひに聞く/上

仕事道具は感情、いつも心を動かしていたい

拡大大空ゆうひ=岩村美佳撮影

――ちょうど7月で宝塚を卒業されて5年ですが、今振り返ってみてどうでしたか? 早かったですか? 長かったですか?

 どうでしょう……長かった? いや、あっという間だったかな? あっという間だったような気もするし、宝塚にいた時のことが遥か遠い昔にも感じます。

――先ほどおっしゃっていた「女性らしさ」は、この5年間ずっと意識されてきたことですか?

 そうですね。 宝塚時代は「男性」を追求してきて、「自分だったらこの役が演じたい」とか「自分ならこう演じるだろう」といったことも男役でしか考えたことがなかったので、まず女性の気持ちがわからない。舞台や映画を見ても女性の役に気持ちがシンクロしたことがなかったので、それをまず追求しないといけないと思ってきました。でも、そういうことって自然にしか出来ていかないんですよね。最近ようやく出来るようになった気がします。

拡大大空ゆうひ=岩村美佳撮影
――転機になった役は何でしたか?

 それがわからないんです。何段階かを経たと思うのですが、そうですね……今年に入ってからかな。突然違和感がなくなって、何か違うところにストンと入ったような感じがありました。それまでどんな男性にでもなれるような気がしていたのに、こと女性の役となると引き出しが足りない自信のなさがあったのですが、「そんなに自分を卑屈に捉えなくてもいいんじゃない?」と(笑)。「ちゃんと胸を張って芝居して行こう」と思えるようになったら呼吸がすごく楽になって、お芝居が面白くなりました。

――お芝居もストレートプレイ的なものからミュージカルもやってらっしゃるし、それ以外もライブやトークイベントなど、色々なことに挑戦されていますが、大空さんの中で、 これからの方向性として見えてきているものはあるのですか?

 それはまだないですね。ただ、「お芝居がしたい」という思いだけ。それから、歌も芝居なので、歌っていきたいと思います。やっぱり役者の仕事道具って感情じゃないですか。だから心をいつも動かしていたい。でも、それがなかなか難しくて……どんどん自由に動き出す時と、 何だかうまく進めない時とがあります。

◆公演情報◆
こまつ座 第119回公演
『円生と志ん生』
2017年9月8日(金)〜9月24日(日) 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
2017年9月30日(日)~10月1日(日) 兵庫県立芸術文化センター
ほか、10月8日(日) 仙台公演、10月14日(土) 山形公演 予定
【スペシャルトークショー】
★9月11日(月) 1:30公演後 樋口陽一(比較憲法学者)― 井上ひさしにとっての笑い ―
★9月14日(木) 1:30公演後 大空ゆうひ・前田亜季・太田緑ロランス・池谷のぶえ
★9月17日(日) 1:30公演後 大森博史・ラサール石井
★9月21日(木) 1:30公演後 雲田はるこ(漫画家)―『昭和元禄落語心中』ができるまで ―
※アフタートークショーは、開催日以外の『円生と志ん生』のチケットをお持ちの方でもご入場いただけます。ただし、満席になり次第、ご入場を締め切らせていただくことがございます。
※出演者は都合により変更の可能性がございます。
[スタッフ]
作:井上ひさし
演出:鵜山仁
[出演]
大森博史、大空ゆうひ、前田亜季、太田緑ロランス、池谷のぶえ、ラサール石井/演奏・朴勝哲
〈大空ゆうひプロフィル〉
1992年、宝塚歌劇団に入団。月組、花組に所属後、2009年宙組トップスターに就任。『銀ちゃんの恋』『カサブランカ』『誰がために鐘は鳴る』『ヴァレンチノ』等、数々の話題作に主演し、2012年7月に宝塚歌劇団を退団。2013年、舞台『唐版 滝の白糸』にて本格的に女優としての活動を開始。以降、舞台を中心に活躍。12月から、ミュージカル『HEADS UP!』の再演を控えている。
大空ゆうひオフィシャルサイト

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筆者

中本千晶

中本千晶(なかもと・ちあき) 演劇ジャーナリスト

山口県出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。ミュージカル・2.5次元から古典芸能まで広く目を向け、舞台芸術の「今」をウォッチ。とくに宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『タカラヅカ流世界史』『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)など。早稲田大学非常勤講師、NHK文化センター講師。

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