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眞子さまと小室さんで考える Let it be

皇室も「自然に」の時代だから、「規格」を求めず

矢部万紀子 コラムニスト

記者会見する眞子さまと小室圭さん=3日午後3時10分、東京・元赤坂、代表撮影 20170903拡大記者会見する眞子さまと小室圭さん=2017年9月3日、東京・元赤坂、代表撮影
 秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんの婚約会見が一夜明けた9月4日、Amazonを見たら『月たった2万円のふたりごはん』(奥田けい著、幻冬舎)という本が、「本の売れ筋ランキング」で1位になっていた。在庫が足りてないようで、「通常2〜4週間以内に発送します」となっている。

 前日の会見後、「小室さんが近所の本屋さんでお買いになった本」としてワイドショーなどで報じられ、書店長も取材されたりしていた。

 幻冬舎はヒット本を作ることに長けた出版社だ。早速、会見翌日に大重版を決定し、著者共々、喜びにひたっているそうだ。でも、もしかして、もっと前に増刷を決定して会見当時は余裕で眺めていたとしたら、きっと担当者は見城徹社長にもっと褒められていたに違いない。

「タクシー代がない!」事件

 そのタイミングは、8月29日、会見の5日前だった。週刊誌「FLASH」9月12日号の発売日。『月たった2万円のふたりごはん』を小室さんが買ったことを最初に報じたのは、ここだった。それを担当者が見て、その日のうちに増刷を決めていたら……。

 というふうに想像したわけだが、それは難しかったと思う。

 「FLASH」の見出しはこうだ。「眞子さま 小室さん会見前夜『タクシー代がない!』事件」。

 確かにメガネをかけた小室さんが、書店にいる写真が大きく載っている。が、彼がいるのは雑誌コーナー。ずーっと最後まで記事を読まないと、『月たった2万円のふたりごはん』は出てこない。

 そこに至るまでに何が書いてあるかといえば、「小室さんの収入や将来設計」が心配だという話だ。宮内庁関係者という人がそのような心配を語り、じつは“事件”が起きていたと別の宮内庁関係者が語る。

 で、事件はというと、眞子さまの婚約をNHKがスクープした5月16日、小室さんの自宅や職場にマスコミが殺到すること予測した宮内庁が、17日はタクシーでの通勤をと提案したが、「高額なので、タクシー代が出せません」と小室さんが断った、というのである。

 次に「政府関係者」が出てきて、「さまざまな報道があるが、秋篠宮さまは当人同士が決めた結婚だからと問題視なさっていない」と語り、最後の最後に8月下旬、小室さんが自宅近くの書店で料理本を品定め、『月たった2万円のふたりごはん』を買ったとなり、「小室さんが倹約志向であることだけは安心していいようだ」と終えている。

 この政府関係者が語るところの「さまざまな報道」というのが先にあり、それがあったから「FLASH」もこういう書きぶりにしているのは明明白白と思える記事だった。

パラリーガルに何か問題が?

 全てを把握しているわけではないが、さまざまな報道は大きく分けて3つ。小室さんが父と死別していること、母の信仰のこと、そして小室さんの職業のこと。中でも3つめの職業のことは、法律事務所勤務だがパラリーガル(弁護士補助)という立場で、つまり弁護士ではない、だから、「収入が少ないだろう」という報道で、元週刊誌記者として解説するなら、「これは眞子さまの皇籍離脱後のお暮らしに関わることなんでー、悪口ではないんですよー」「心配だから、問題提起するんです」とエクスキューズしやすい。

 だから、従来のメディアも書きやすく、ここにネットにお住まいの方々が「眞子さまのお相手なのに、フリーターじゃないか」といった表現で乗ってきた。

 この流れができているから、紙メディアの「FLASH」も書きやすい。

 9月12日号に戻るなら、「小室さんが高額だからとタクシーを拒んだから、宮内庁が用意した車で送迎した」として、「天皇陛下の初孫と結婚する責任の重さを考えると、無理をしてでも(タクシー代を出す)『気概』を見せてほしかったという声は少なくない」と、先ほどと同じ「別の宮内庁関係者」のコメントを載せている。

 そうなのかなあ? 混乱が予測されるなら、無理をしても最初から車を出すくらいの「気概」は、当然宮内庁にもあるんじゃないかなあ? だって、天皇陛下の初孫の結婚相手なわけじゃない?

 などと、ジャッジする立場ではないけれど。

 眞子さまと小室さんも、こういう事態をご存じないわけがなく、 ・・・続きを読む
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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長。

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