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『人間風車』に主演、成河インタビュー/下

「僕の話を聞いて欲しいし、あなたの話を聞かせて欲しい。そのために演劇はある」

中本千晶 演劇ジャーナリスト


『人間風車』に主演、成河インタビュー/上

芝居も低温揚げトンカツのようでありたい

拡大成河=宮川舞子撮影

――ではここで少し軽い話題を……ハードな舞台が多い成河さんですが健康管理の秘訣は何でしょう?

 僕は寝るんですよ。皆さんに怒られますけど、9時間睡眠。

――えっ! 夜は何時に寝るんですか?

 理想の睡眠時間は、夜1時から朝10時です。

――夜更かしで朝寝坊なんですね。

 こんな時間に起きて仕事できる人はそんなにいないですよね(笑)。演劇人は本当に贅沢ですよ。ただ僕はほら、今もこんなに喋ってるでしょ。きっと寝なかったら同じようにぐるぐるぐるぐる考えてますから、めちゃめちゃ燃費が悪いんですよ。

――食べ物のこだわりなどはありますか? 以前ブログを拝見したら低温揚げトンカツにはまってらっしゃいましたけど。

 そうそう。それはもう一生かけて(笑)。

――一生ですか!

 ここぞというときの食はケチらないですよ。エンゲル係数が恐ろしく高いです。いや、べつに高級料亭に行ったりはしないですけど。コンビニやファストフードの食事もしょっちゅうあります。でも、たぶん僕の生活の中で一番お金を使っているのが「観劇」と「食」ですね。っていうか、それ以外にお金を使いたいことがない。

――食に対しては、どうお金を使うんですか? すごいグルメなのか? どこにこだわりがあるのでしょう。

 いいものを食べる。これは父親の教えです。

拡大成河=宮川舞子撮影
――「いいもの」とは高級なもの? それとも素材が良いもの?

 どちらもです。同じだと思うんです。本物!(笑)

――本物!

 食ぐらいはね。たとえば舞台や文学だと、本物を突き詰めるのはとても大変でしょう? でも、食ならもう少し楽じゃないですか。きちんとお金をつぎ込めば、本物を食べることができる。

――確かに……。

 ずっと昔からそうなんです。「どんなに貧乏してても良いものだけは食べておけ」というのが親父の教えだったので。

――それを守ってらっしゃる。

 そうです。お金の使い道の優先順位は色々あると思うんですよ。僕はたまたま食の優先順位が高かったというだけ。すっごくお金がかかってますよ。「本当に良いものなのかな?」って、疑い深いですから(笑)。

――今はまってる食べ物とか、あるんですか?

 ずっと低温揚げトンカツ。低温あげトンカツはもう本当にはまってます。

――(笑)

 高級食材を時間をかけて調理して、大衆的な料理として提供する。

――素晴らしいですね。

 芝居もこうありたいなと思うね!!(爆笑)

――何だかミュージカルみたいですね。

 本当にそう。何だかまた同じことを考えてますね。低温揚げトンカツはあくまでも庶民的な食べ物ですよ。トンカツなのに4,000円ぐらい平気でしますけどね。

――でも、そのぐらいで美味しいものが食べれたらいいですよね。

 そうでしょ、そうでしょ。そう思って2時間半ぐらい並んで食べたりします(笑)。

――並んでるんですね!

 知る人ぞ知る、ものすごいブームですからね。ミシュランの星をとっている低温揚げトンカツ屋さんもありますし。

――そういう店に並びに行ったら、同じ列の中に成河さんがいるかも知れない。

 いますよ(笑)。低温揚げトンカツのように、上質なものを時間をかけて大衆的なものにしていく。そうありたいですね。

◆公演情報◆
PARCO & CUBE 20th. present『人間風車』
2017年9月28日(木)~10月9日(月・祝) 東京・東京芸術劇場プレイハウス
2017年10月13日(金) 高知・高知県民文化ホール・オレンジホール
2017年10月18日(水) 福岡・福岡市民会館・大ホール
2017年10月20日(金)~22日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール
2017年10月25日(水) 新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
2017年10月28日(土) 長野・ホクト文化ホール・中ホール
2017年11月2日(木) 宮城・電力ホール
[スタッフ]
作:後藤ひろひと
演出:河原雅彦
[出演]
成河、ミムラ、加藤諒、矢崎広、松田凌、今野浩喜、菊池明明、川村紗也、山本圭祐、小松利昌、佐藤真弓、堀部圭亮、良知真次
公式ホームページ
〈成河プロフィル〉
東京都出身。大学時代より演劇を始める。近年の主な舞台出演作品は、『子午線の祀り』『髑髏城の七人Season花』『わたしは真悟』『エリザベート』『グランドホテル』『スポケーンの左手』『100万回生きたねこ』『アドルフに告ぐ』など。2018年1月からは、舞台『黒蜥蜴』への出演が決まっている。2008(平成20)年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞、第18回読売演劇大賞 優秀男優賞受賞。
公式ホームページ

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筆者

中本千晶

中本千晶(なかもと・ちあき) 演劇ジャーナリスト

山口県出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。ミュージカル・2.5次元から古典芸能まで広く目を向け、舞台芸術の「今」をウォッチ。とくに宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『タカラヅカ流世界史』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ新書)など。早稲田大学非常勤講師、NHK文化センター講師。

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