「男女の一線」を越えたかどうかよりも、問われるのは「政治家の資質」
2017年09月12日
社会的に立場のある人間を潰すには、下半身ネタが一番だ――この仕事を始めた頃、かなり年上の先輩がぽろりと話していたのを思い出しながら、私は、政治家の不倫報道について考えはじめた。
今井議員は、ネット上の「過去の不倫・略奪愛の歴史」で、日々、新しいネタで更新されるほどの嵐に揉まれていたが、さすがスキャンダルには慣れているのか、即座に謝罪会見を開き、進退については言及していない。
しかし、山尾議員が「火だるま」となり、最終的に離党の決断を余儀なくされたのを見て、胸をなでおろしているのか、それとも「明日は我が身」と思ったのかはわからない。
ふたりとも、「男女の一線は越えていない」と強弁したのは一緒だ。実際に関係があったか否かは別として、報じられた週刊誌記事を読むと、信じられないほど軽率な行動を重ねている。
政治家として道義的責任を問われるのは、当然のことだと思う。政治家としての仕事内容を見比べれば、山尾議員と今井議員とでは、天と地ほども差がある。あからさまな「芸能人枠」の今井議員に、そもそも「政治家としての仕事力」を求めること自体、間違っているかもしれないが。
とはいえ、国民の税金から給与をもらっている以上、他の職業以上に高い倫理感を持たなくてはいけないのは一緒だ。検事出身の山尾議員はなおさらだったのではないか。それゆえ、国会議員の不倫は、芸能人以上に、批判、追及されても致し方ないという結論に私は行き着いている。
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