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平方元基インタビュー/上

思い出が巡るような空間になると楽しいかな

真名子陽子 ライター、エディター


拡大平方元基=冨田実布撮影

 12月に、『平方元基プレミアムコンサート2017~Wonderful Memories~』を開催する平方元基に話を聞いた。昨年に続き第2弾となる今回は、スペシャル・ゲストに日野真一郎(LE VELVETS)と上原理生を迎え、ミュージカルナンバーをそろえた1日だけの豪華なコンサート。平方自身がミュージカル作品で歌ってきた楽曲を中心に構成されるというコンサートについて、お客様とその楽曲を歌っていたころの思い出を共有したいと話す。

 30代を迎えて変わってきたと分析する平方。その30代を迎えた心境やミュージカルナンバーをそろえた理由、すでに決めているというラストナンバーへの思い、そしてこのコンサートでお客様へ伝えたいことを素直な言葉で語ってくれた。

ミュージカルが自分の中の大部分を占めている

――まずは昨年のコンサートを振り返っていただきたいのですが。

 自分の名前を銘打ったコンサートは初めてでしたし、歌手としてやってきたわけではないので、とても緊張しました。セットリストのほとんどを自分が歌うということがなかったので、どういうコンサートにすればいいのか悩みましたね。まずは、僕を知っている方にも知らない方にも楽しんでもらいたいなと思いました。自分の目線で考えた時に、知らない曲が多いとつまらないかなとか、取り残されてしまうかなと思って、昨年のコンサートはミュージカルの曲を減らしたんです。ポップスや歌謡曲の中から、聞きなじみのあるもの、耳なじみのあるものをセットリストに組みました。けれど、終わってみて感じたのは、僕が歌う意味が薄れてしまったなと。有名な歌謡曲などには皆さんの思い出があって、その思い出の上に平方が歌うということはどうなんだろうと……。

拡大平方元基=冨田実布撮影
――なるほど。では、今回のコンサートはどんなコンサートに?

 前回のコンサートが終わった時に、ミュージカルが自分の中の大部分を占めているんだということに気づかされました。だから、来年もやりましょうと言っていただいた時に、すごく悩みました。やるべきなのか、やめるべきなのか……。ミュージカルの楽曲をコンサートで歌う時、芝居の流れで歌うのではなく、いきなりその歌のシーンに入って歌いますが、やっぱり役を忘れることはできないんですよね。そうなった時にちゃんと歌えるのかなと思いました。でも、ここは逃げずにチャレンジしてみよう、自信を持てるように自分と向き合って、その姿をお客様に見てもらおうと思ったんです。それが自分らしい今のあり方なのかなと。

――昨年のコンサートが終わって、すぐにそう思われたんですね。

 そうです。すごく自信がなかったです、最近までずっと。

――歌うことに対してですか?

 歌もそうですし、俳優をやっていることにです。

――でも、少しずつ自信がついてきたんですね。

 やはり30代になって変わりつつあります。10代は部活や学校生活が中心の青春時代、20代はお酒を覚えていろんな人と交流を始め、30代になった時にやっと親のことを考えられるようになりました。親と生活のことや将来のことを話すようになったんです。この仕事をしていくという前提がなければ、そういう話もできないですし、自分がやりたいという気持ちだけでふらふらするのではなく、ちゃんと地に足をつけていかなければいけないなと思うようになりました。40代になったら別の道へ進むことなんてできない、そう思ったら、30代は猶予期間なんだと。昨年、コンサートをさせていただいたときに、自分の未熟さやこんなに周りの方に助けてもらって自分は成り立っているんだということに気づけたんです。ミュージカルという夢の世界の中で生きているけれど、そこに自分自身の現実がしっかりとついてきた気がします。

ラストの曲はもう決めているんです

拡大平方元基=冨田実布撮影

――では、今回のコンサートはミュージカルの歌を中心に構成されているのでしょうか?

 はい、ミュージカルナンバーを並べました。セットリストはほぼ決まっていて、ミュージカルに出会ってから今までのことを……。それを時系列に並べた方がいいのか悩みました。けれど、時系列で歌うのは、デビュー何十周年という記念の時でいいかなと。いろんな作品から曲を選んでいますが、それらを一つの作品として表現できるようにしたいなと。それぞれの楽曲に、東京へ来てミュージカルに出会ってからのいろんな気持ちを当てはめると、自分の俳優人生を表現できるかなと思っています。

――今年、ミュージカルデビューから6年目ですが、選曲の際にその6年を振り返る時間ができたのではないでしょうか?

 そうなんです! その年月を感じ、振り返りながら歌うだろうし、お客様にも一緒に作り上げてきた劇場という空間の思い出と、その時のプライベートな時間の思い出がきっとあると思うんです。実はそういうことを感じていただきたくて、「~Wonderful Memories~」と付けさせていただきました。自分の思い出だけじゃなくて、お客様の中にもちゃんと残っているものはありますよね。いろんな作品に出させてもらっていますが、再演があるかもしれないし、年齢的にその役は無理かもしれないし、作品自体、再演しないかもしれない。でもあの時、同じ時を共有したよねという思い出が巡るような空間になると、楽しいかなと思っています。

――歌はとてもシンプルに心に響きますし、ミュージカルの楽曲はとてもドラマティックに作られているので、なおさら、心に残ります。

 ミュージカルの楽曲はすごく贅沢ですよね。前回は、ミュージカルの歌を歌う心構えやキャパが小さかったなと思います。自分の思いだけでやってしまったところがある。でも今は、その反省点を活かしつつ、皆さまへ届けたいという思いをちゃんと自分の中で消化することができました。皆さまとの思い出をつなげて歌うラストの曲は、もう決めているんです。内緒ですが……(笑)。その曲は、歌うのが好きという曲ではなく、その歌が持つメッセージが僕の中に植え付けられているんです。思い出は思い出として大事にとっておいて、さあ、今この瞬間から前を向いて行こうと思える曲です。だから、ラストに歌いたいと思いましたし、自分自身にもその歌詞の内容を言い聞かせたいというか、自信につなげたいなと思って決めました。

◆公演情報◆
『平方元基プレミアムコンサート2017~Wonderful Memories~』
2017年12月21(木) 東京・めぐろパーシモンホール大ホール
※プレイガイド一般発売:10月7日(土)~
[スタッフ]
構成・演出:菅野こうめい
Music Director:ハクエイ・キム
演奏:ハクエイ・キム スペシャル・ユニット
[出演]
平方元基/スペシャル・ゲスト:日野真一郎(LE VELVETS)、上原理生
公式ホームページ
〈平方元基プロフィル〉
2008年より数多くのテレビドラマに出演。2011年『ロミオ&ジュリエット』のティボルト役に抜擢され、ミュージカルデビューを果たす(13年版、ベンヴォーリオ役で出演)。その後も数々の大作ミュージカルに出演。主な舞台出演作品に、『王家の紋章』『スカーレット・ピンパーネル』『ダンス オブ ヴァンパイア』『サンセット大通り』『アリス・イン・ワンダーランド』など。10月より『レディ・ベス』再演、来年3月より『舞妓はレディ』に出演予定。
平方元基オフィシャルファンクラブサイト

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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