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[5]アウトプットは、インプットの母である

アウトプットの場を見つけ、学び続けて自分の伸びしろを広げる

梅田悟司 電通コピーライター・コンセプター

連載「『と思います』禁止令」と著者の梅田悟司さん拡大連載「『と思います』禁止令」と著者の梅田悟司さん

勉強のための勉強では続かない

一瞬のやる気よりも、淡々と続けることが大事拡大一瞬のやる気よりも、淡々と続けることが大事

 「学び」が注目されている。

 社会人での学びの筆頭はMBAの取得などにみられる学び直しであろう。この10年で、海外に追従するように、国内の大学でもビジネススクールが開校されるようになり、実際、私の周りにもMBAの取得に向けて勉学に励んでいる人も増えた印象がある。

 また、人生をより豊かなものにしていくための生涯学習は、もはやブームの域を超えて、世の中に定着したように感じられる。仕事や家庭といった日常を離れて、語学や詩吟、音楽、資格の取得など知的好奇心を満たす。こうした多くの趣味を持つこと、さらに言えば、自分ができることを増やすことは、LIFE SHIFTが提唱した「100年人生」においても、重要性が増してくることは間違いないだろう。

 そして若者層には、自分が読んだ本を紹介し合う「読書会」が静かなブームになっているようだ。一年前に『「言葉にできる」は武器になる。』という書籍を執筆したことをきっかけに読書会や勉強会にゲストとして呼ばれることがあり、こうした活動が根付きつつあることを知った。

 かく言う私も、常日頃から学びの大切さを感じており、形を変えながら、幅広い領域の知識を得るように心がけている。しかしながら、「よし、学ぶぞ」と気合を入れたのはいいものの、日々の忙しさに流されるように、やる気がなくなってしまうことがあるのも事実である。

 そこで、私が心がけているのは、「学び始める」ことよりも「学び続ける」ことを重視することである。

 前者である「学び始める」は、やる気やモチベーションの力が大きく影響する。一念発起するという言葉があるように、ある種の勢いが必要になる。その一方で、後者の「学び続ける」は、気分に左右されず淡々と続ける持続力が問われることになる。皆さんも経験があろうかと思うが、瞬間的な気持ちの高まりだけでは、続けることは難しいのである。

 では、どのように学び続ければいいのだろうか?

 そのための仕組みとして、私は常にアウトプットする場を持つようにしている。

 「学ぶために、アウトプットをするとはどういうことか?」

 「インプットとアウトプットは正反対なのではないか?」

 そう思われた方も多いだろう。

 私は、自分のやる気やモチベーションというものが長続きせず、信用に値しないことを38年の人生を通じて心得ている。そのため、定期的に誰かに何かを伝えるための、話したり書いたりする機会を意識して増やして、自分の断片的な知識を補完しながら学ばなければならないようにしているのだ。特定の分野について誰かに伝えるためには、常にインプットが必要になるからである。

アウトプットは、インプットの母である

アウトプットが、継続的なインプットにつながる拡大アウトプットが、継続的なインプットにつながる

 自分の手帳を見てみると、会社員としての打ち合わせやプレゼンテーションの仕事の他に、社外活動の「締め切り」や「講演」の予定が目立つ。たとえば、ウェブのコラムや、雑誌への寄稿、学術系の論文。講演に関しては、大人数のものから少人数のものまで、その幅は多岐にわたっている。

 一つだけ共通しているのが、依頼を引き受けるタイミングで、何の不安もなくこなせるものなどないということである。自分が持っている知識プラスアルファがなければ乗り越えないものばかりを、あえて選ぶようにしているのだ。

 こうした強制的なインプットを伴うアウトプットの場を設定することを心掛けている。そう、アウトプットは、インプットの母なのである。

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筆者

梅田悟司

梅田悟司(うめだ・さとし) 電通コピーライター・コンセプター

1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、のどごし<生>「がんばるあなたがNo.1」、東北六魂祭事業構想メンバーなど。著書に10万部を超える『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)他。CM総合研究所が発表するコピーライタートップ10に、2014年から3年連続選出される。横浜市立大学客員研究員。

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