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周囲にやすらぎを放つ「花屋さん」/明日海りお

【宝塚~朗らかに~】「ハンナのお花屋さん」で熱演

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ10月26日紙面(東京本社発行版)より】

拡大「ハンナのお花屋さん」でクリス・ヨハンソン役を演じる明日海りお(撮影・清水貴仁)
 花組トップスター明日海(あすみ)りおが、少女時代にあこがれた「花屋さん」にふんしている。人生を再考するフラワーアーティスト役を、ミュージカル「ハンナのお花屋さん-Hanna's Florist-」で熱演。パワーアイテムの花に囲まれ、充実した公演を続けている。公演は東京・TBS赤坂ACTシアターで29日まで。

 人を優しく、穏やかな気持ちにさせる。周囲には安らぎを放つ。明日海自身が花そのもののようだ。

 「私もお花が大好きで、お花を扱いながら動き、お花についてセリフを言う。すごく幸せです。自然が豊かなところで育ったので、菜の花からたんぽぽ、桜、ツツジ…。季節の移ろいを花で知る生活でした」

 静岡の出身。故郷では祖父母が季節ごとに花を植えていた。一番好きな花にはあじさいを挙げた。

 「色が好き。6月生まれなので、ちっちゃい頃は、あじさいが咲いたら『もうすぐ誕生日だ』みたいな(笑い)。あじさいを見ると、今も幸せになりますね」

 公演前、フラワーアレンジメントの勉強にも行った。「処理をして、紙をまいて、花束に。アレンジは初めてでした」。市場での花集め、冬の手作業での冷たさ、荒れなど美しさの裏にある過酷さも知った。

 「種類によって、この花はここ触っちゃだめとか、ここを触って花開かせるとか、たくさん学びました」

 主人公は念願だった自分の店を持って5年。幸せの意味を見つめ直す。

 「ビジネスチャンスが舞い込み、でも、落ち着いて考えてみる。自分の求めるもの、幸せは何かと」

 人生の岐路、人間関係でも熟考する自身に近い。月組時代に「ロミオとジュリエット」で役代わり主演し、初めて大劇場作でセンターに立ってから、ちょうど5年。同じ5年だ。「あっ、5年ですか…。わあ~っ!」。月組で主演し、花組へ移りトップに就き、全力で駆け抜けてきた。

 「羽根を背負うなら、それなりの人でいなきゃって。自分の持つ力よりも、もっともっと大きい役、場面、立場を与えていただいてきた。ダブルキャスト(の主役)も必死でした」

 おっとりした性格だが、舞台では一変。男らしい立ち姿の中に、華やかさがある。言動より、舞台へ向かう姿勢で引っ張ってきた。

 「トップ(就任)3年がたち、見つめ直す時期。どういう男役、舞台人になりたかったのか。(役に)リンクします。まあ、私には、すごいビジネスチャンスはないですが(笑い)」

 幸せを感じる瞬間には「やっぱり舞台。ベストを尽くせたと思えた時と、終演して、みんなとご飯を食べている時」とほほ笑んだ。

 今公演後には、2番手の芹香斗亜(せりか・とあ)が宙組へ移る。

 「(自身がトップに就き)羽根を背負わせてもらったのが私と芹香、柚香(光)。他組と比べればだいぶ下級生だった。みんな不安な気持ちと、何とかやるんだっていう鼻息と。あの頃の映像を見ると、おもしろい、顔が違う。おぼこく、しゃかりき感が出ていて。当時の自分たちを、自分たちでいとしく思っちゃう」

 自身と仲間たちの成長を実感する。「みんな、いい意味でふてぶてしくなりました。(芹香の)組替えは寂しいけど、不安はない。キキちゃん(芹香)なら大丈夫」。大切な仲間を送り出し、花組を率いて新たな章へ進む。

 ◆ミュージカル「ハンナのお花屋さん-Hanna's Florist-」(作・演出=植田景子氏) ロンドンの閑静な高級住宅地にある花屋は、デンマーク人のフラワーアーティスト、クリス・ヨハンソン(明日海りお)が経営。自然との調和に包まれ、地元の人からも愛されていた。ところがある日、クリスの作品がフラワーコンペティションに入賞し、大きなビジネスチャンスが訪れる。将来に悩む中、仕事を求めて東欧から来たミア(仙名彩世)と出会う。

 ☆明日海(あすみ)りお 6月26日、静岡市生まれ。03年入団。月組配属。08年「ミー&マイガール」で新人公演初主演。12年、月組準トップに就き「ロミオとジュリエット」「ベルサイユのばら」で、当時トップの龍真咲と異例の主演役がわり。花組へ移り14年5月、同トップ。一昨年の台湾公演にも主演。身長169センチ。愛称「みりお」「さゆみし」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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