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麻実れいが「普通の母親」を演じる(下)

第二次世界大戦下の朝鮮半島近くの離れ小島に住む家族を描く『すべての四月のために』

大原薫 演劇ライター


麻実れいが「普通の母親」を演じる(上)

森田剛君は優しくてチャーミングな方ですね

拡大麻実れい=宮川舞子撮影
――稽古はどのように進んでいますか。

 鄭さんがご自分で「僕は大変稽古がくどい」とおっしゃったんですが(笑)、その成果があって、どんどん進んでいますね。恐ろしかったのは、読み合わせの次の日からすぐ立ち稽古に入ったこと。次の日から立ち稽古するというのは、私は蜷川(幸雄)さんしか存じ上げなかったんです。どんな作品でも稽古前にはアバウトに台詞を入れていくのですが、今回は「皆さん、まず(台本を)覚えてくださいね」というところから始まりました。というのは、立ち稽古で台本を手に持っているとうまく動けないから。立ち稽古に入ってからは鄭さんが粘り強く稽古されるので、私たちも粘り強く(笑)。大体は(午後)1時から7時まで、間にちょっとだけ休憩はいただけるんですが、びっしり稽古なさるんです。あるとき、7時45分に一応終わったんですが、鄭さんが「こんな中途半端な時間か、もう1回やろうか」とダメ出しが始まっちゃって。その日は8時半過ぎまでやっていましたね。

――鄭さんの粘り強い稽古に、皆さん意欲的に取り組んでいらっしゃるんですね。

 若い方が多いので、とても気持ちいい稽古場です。皆、一生懸命ですし、大変真摯に自分の役と戦ってますね。鄭さんの稽古場は笑いの中で進行させるので無理なく、(森田)剛君はじめ皆さんいい状態で進んでいます。

――萬石役の森田剛さんとは久しぶりの共演ですね。

 私は剛君とは舞台『鉈切り丸』でご一緒しているんですが、あのときは台詞を交わしていないんです。今回、少しは台詞を交わせるので嬉しいですね。萬石は寡黙な青年の役で始まった稽古ですが、鄭さんによってどんどんキャラクターが変わっていっている。剛君自身は優しくてあたたくて、可愛らしい。チャーミングな方ですね。

◆公演情報◆
PARCO PRODUCE
『すべての四月のために』
2017年11月11日(土)~11月29日(水) 東京・東京芸術劇場プレイハウス
2017年12月8日(金)~12月13日(水) 京都・ロームシアター京都 サウスホール
2017年12月22日(金)~12月24日(日) 福岡・北九州芸術劇場 大ホール
[スタッフ]
作・演出:鄭義信
[出演]
森田剛/臼田あさ美、西田尚美、村川絵梨、伊藤沙莉、小柳友、稲葉友、津村知与支、牧野莉佳、斉藤マッチュ、浦川祥哉、近藤公園、中村靖日、山本亨/麻実れい
公式ホームページ
〈麻実れいプロフィル〉
宝塚歌劇団雪組男役トップスターとして活躍し、1985年退団。以降、多くの話題作に出演。リサイタルなどでも活躍。おもな出演作は、『炎 アンサンディ』『8月の家族たち』など。芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章、読売演劇大賞最優秀女優賞、毎日演劇賞、朝日舞台芸術賞、紀伊國屋舞台演劇賞個人賞など受賞多数。

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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