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「カープおじさん」が提案するプロ野球カップ戦

シーズンオフも野球の真剣勝負が観たい~!

井上威朗 「クーリエ・ジャポン」編集長

マツダスタジアム拡大寂しい季節が始まった……=マツダスタジアム

 WEBRONZAのライバル的なサイト「クーリエ・ジャポン」編集長の井上と申します。今年も仕事をあれしながら60試合くらい現地観戦していたことがバレてしまったので、「カープおじさん」として1年ぶりにやってまいりました。

CSに対するタテマエとホンネ

 2017年9月18日、広島カープがセ・リーグ連覇を決めた甲子園球場。私もレフトスタンドで感動に打ちふるえながら緒方孝市監督のスピーチを聴いておりました。でも「あきらめないんですよ、うちの選手は」という名文句には、つい違和感を抱いてしまいました。

 「ぼっち」観戦していると、横の人と話したりすることも少ないから、イヤな場面をしっかり見てしまうものです。たとえば。

 GWに同じ甲子園球場で9点差を逆転された後、安部友裕選手は全力疾走を怠っていました。新井(貴浩)さんの逆転スリーランで「七夕の奇跡」といわれた神宮球場での9回表も、田中広輔選手は試合序盤の粘りを忘れて淡泊に凡退していました。

 そして、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ、悪夢の第5戦。点差がつき回が進むにつれて工夫がない打席を重ねる野手陣。そのうえ、敗色濃厚な9回表で、最後のマウンドに立った中崎翔太投手に対して、声をかけず鼓舞しようともしないベンチ。

 ……あきらめまくってるじゃないか!

 そういうわけで、選手の皆様が超人的な頑張りを見せたことも承知していますが、スタンドで声を枯らしていた身としては、けっこう「あきらめる」カープ戦士たちを見てしまった1年でもありました。

 逆に、本当の意味で「あきらめない」戦いを見せたチームは、いうまでもなく横浜DeNAベイスターズでしょう。個人的にはCS以上に思い出したくもない横浜スタジアム3戦連続サヨナラ勝ちのときも、日本シリーズで3連敗した後も、彼らはまさに不屈の闘志を見せてくれました。

 そういう意味では、より「あきらめない」チームが上のステップに進むことになったCS制度は、悔しいけれど正当なものなのでしょう。おわり。

 ……以上、タテマエでした。もちろんホンネは正反対です。「せっかく優勝したのにカープが日本シリーズに出られないなんてイヤだよう! 福岡行きのパックツアーのキャンセル代を返してくれよう!」といまも心中で泣き叫んでおります。

日本シリーズ進出を逃し、スタンドに一礼する緒方監督(右端)ら広島の選手たち拡大リーグ優勝しながら日本シリーズ進出を逃した広島の選手たち。CSはもういらない?

つらい体験はもう終わりにしたい ・・・続きを読む
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筆者

井上威朗

井上威朗(いのうえ・たけお) 「クーリエ・ジャポン」編集長

1971年生まれ。講談社で漫画雑誌、Web雑誌、選書、ノンフィクション書籍などの編集を経て、現在「クーリエ・ジャポン」編集長。