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舌禍事件が続く足立康史議員にお礼を言いたい

「アホ」は敬称、「死ね」は社会に許容されている!?

横田由美子 ジャーナリスト

報道陣の質問に答える日本維新の会の足立康史衆院議員敬称だという「アホ」を国会で連発するなど、舌禍事件が続く足立康史衆院議員(日本維新の会)
 ある意味、「国政」への敷居をものすごく下げてくれたという意味で、彼にお礼を言った方がいいのかもしれない。

 「こんな程度の語彙しか使えない人間でも国会議員になれるのか!」

 「ここまで他人に厳しく、自分に甘い人間でも、国会議員として国民の税金でメシを食えるのか!」

 と、驚く人は多かっただろう。それだけでなく、出馬を考えた人もいたはずだ。

 「もしかしたら俺(私)でも、国会議員になれちゃうかも。あとは、ネットで炎上させるネタを定期的に提供すれば、『悪名は無名に勝る』だ! 3期も国会議員をやれば、そのあと落選しても、企業の顧問になるとか、人生チョー楽かも」

 と、自信を持った人が少なくないのではないか。

国会で「アホ」を連呼

 「日本維新の会」の足立康史衆院議員(当選3回)が起こした舌禍事件は数知れない。

 「維新のトランプ」と、足立議員を呼ぶ人もいるらしいが、それは評価が高すぎるというものだろう。笑うに笑えない舌禍ばかりだが、せっかくなので、少し振り返ってみよう。

 衆議院予算委員会中央公聴会で公述人の郷原信郎弁護士を「専門家ではなく政治屋だ、売名だ」(2016年2月24日)と発言して厳重注意を受け、衆議院事務局に懲罰動議が提出された。

 それからわずかひと月後の4月7日、衆議院総務委員会で、安全保障に関する法案を提出しない民進党に対して、「民進党はアホじゃないか。アホです、アホ」、「こんな政党は日本の恥だ。アホ、ばか、どうしようもない」となじり、注意されるも本人は「事実誤認はない」と言い張り、民進党が自分に対して懲罰動議を出したこと自体が「懲罰に値する」と自信満々で発言した。

 4月の足立議員は“舌好調”だった。

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