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稲田朋美議員の網タイツに屈服したリベラル思想

リベラル衰退の原因はその“保守化”にある

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

名:
カナダのトルドー首相「抱かれたい首相NO.1」の“称号”もあるカナダのトルドー首相。日本のリベラル派にこういうタイプの論客はまれだ
 前稿「リベラルはTVの“議席”獲得で惨敗している」に引き続き、テレビコメンテーターの席を獲得する競争で「リベラル」思想が敗北しているという現状を分析します。

 前稿で述べたように、報道番組のエンタメ化自体が大変由々しき事態だと思うのですが、保守派はハードな人物からソフトな人物に至るまで幅広くコメンテーターのラインナップをそろえることで、この波に逆らうことなく乗っています。

 それに対して、リベラル派はどうでしょうか? 残念ながらほとんど対応できていません。私自身もつい先日までは「エンタメ化したテレビが悪いのだ!」と批判するだけで、現状を変えるための具体的な戦術を一切考えたことはありませんでした。同じような人も多いはずです。そもそも、保守派に牛耳られていることに危機感をいだいてすらいない人も多いのではないでしょうか。
(※なお、前稿同様、ここでの「リベラル」はマスコミ等で使われる「いわゆるリベラル」とは異なり、「進歩主義、社会自由主義、社会民主主義等、欧米先進国で左ウイングに位置する中道左派政党の思想に近しい政治信念を持つ人も含む」と定義します。急進的な左翼は含みません。一方、「保守派」は今回の分析の対象ではないため、マスコミ等で使われる「いわゆる保守」として分類されることの多い、保守主義、権威主義、新自由主義、愛国主義等の思想を持つグループという定義をそのまま使用します。また、安保と原発に対する賛否は政治思想とはレイヤーが異なる話なので、ここでの保守・リベラル分類の要素には含めません。厳密な定義とは異なる部分もありますが、今回は政治思想的な議論には踏み込まないこととします)

リベラル派がルックス勝負で負ける理由

稲田朋美一時、「国会の網タイツ姫」と呼ばれ、高齢男性から人気があった稲田朋美氏
 また、外見に関しても同様です。テレビというメディアの性格上、やはり「見た目」は大切です。しかし、ルッキズム(外見至上主義)や縁故主義反対という立場から、リベラル派は政治や評論と外見を別問題として考え、世に言うイケメン・美人を積極的に登用したりすることはほとんどしません。それは確かに理想的なことです。

 ですが、困ったことに、

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