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柿澤勇人が『メリー・ポピンズ』に出演(上)

世界中で愛されるミュージカルの名作が日本初演

大原薫 演劇ライター


拡大柿澤勇人=宮川舞子撮影

 不朽の名作ミュージカル『メリー・ポピンズ』が日本初演を迎える。パメラ・トラヴァースの小説をもとに、1964年ウォルト・ディズニーがプロデュースし、ジュリー・アンドリュース主演で映画化。2004年、『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』などを生み出し続ける名プロデューサー、キャメロン・マッキントッシュがミュージカル化した本作がついに2018年3月、日本人キャストにより上演される。主人公の家庭教師・メリー・ポピンズ役は濱田めぐみと平原綾香がWキャストで演じる。

 1910年のロンドン。バンクス家の夫妻は子供たちに手を焼いている。この家にメリー・ポピンズが舞い降りてくる。子供たちは不思議な力を持つメリーと、煙突掃除屋のバートと過ごす日々に大喜びする……。

 バート役を演じる柿澤勇人(大貫勇輔とのWキャスト)。優れた歌唱力と真に迫った演技で『デスノート THE MUSICAL』『フランケンシュタイン』『ロミオ&ジュリエット』などに主演。明るく爽やかな煙突掃除屋のバートで柿澤の新たな一面が見られそうだ。

 『メリー・ポピンズ』出演について、柿澤に話を聞いた。12月に出演するシェイクスピア作品『アテネのタイモン』、また、2017年に柿澤が出演した『フランケンシュタイン』『紳士のための愛と殺人の手引き』『デスノート THE MUSICAL』についても語ってもらった。

生のエネルギーを感じられる舞台版『メリー・ポピンズ』の魅力

拡大柿澤勇人=宮川舞子撮影

――柿澤さんは7年前ニューヨークに行ったとき、到着早々に『メリー・ポピンズ』をご覧になったそうですが、実際に見た舞台はいかがでしたか?

 本当に華やかなエンターテインメントだなというイメージでしたね。特に感じたのは楽曲の素晴らしさ。どの曲を切り取っても皆が一度は聞いたことがある曲だし、見終わって劇場を出た後、誰もが口ずさみながら帰れるんです。もちろんダンスも素晴らしかった。バートはタップをしながら壁を伝って天井まで上って、ぐるっと一周するシーンがあるんですよ。それに、メリー・ポピンズが傘を手にしてフライングするのも印象的。でもまさか7年後に自分がやるとは思わなかった。縁があったのかなあ、なんて思います。

――私もブロードウェイとロンドンで『メリー・ポピンズ』を見ましたが、客席の反応の熱さが印象的です。

 そうなんですよ。海外の人たちは盛り上がるときは本当に盛り上がりますから! 僕も海外公演を経験していますが、素直に拍手喝采してくれると演者も嬉しくなって、どんどんテンションが上がってくるんです。日本の『メリー・ポピンズ』もそんな盛り上がりが見られたらいいなと思いますね。

――映画版と舞台版はちょっと印象が違うようにも感じました。

 舞台の方が現代的というか。今の人が見て楽しめる要素がある気がしますね。ダンスも歌もそうなんですけど、映画で見るのと違って、生身の人間が空間を支配しているという瞬間は舞台でしか味わえない。生のエネルギーを感じられるのが舞台版の『メリー・ポピンズ』のよさだと思いますね。

――『メリー・ポピンズ』出演のオーディションが約2~3年かかったと聞きましたが、それはよくあることなんですか?

 いや、ないですね。

――それだけ長い期間かかって、途中で挫けそうになってもモチベーションを保てたのは?

 いや、何度も挫けそうになりましたよ(笑)。「これで多分最後(のオーディション)だから」と言われて一生懸命やるけど、それが最後じゃないんです(笑)。それがずっと続いたので。その間も別の舞台や仕事があったので、『メリー・ポピンズ』のことはいったん頭の片隅に置いておいて「オーディションが……」と言われたときに、また取り組むというようにしていました。それに、審査側も今の時点で完成されたものが見たいわけではなくて、この人にどんな要素があるかを見ていたと思うので。オーディションでは現状できるものをお見せして、あとは判断してもらうということでしたね。

◆公演情報◆
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
2018年3月25日(日)~5月7日(月) 東京・東急シアターオーブ
※3月18日(日)~24日(土)プレビュー公演
2018年5月19日(土)~6月5日(火) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[オリジナルクリエイティブスタッフ]
原作:P.L トラヴァース
オリジナル音楽/歌詞:リチャード・M・シャーマン、ロバート・B・シャーマン
脚本:ジュリアン・フェロウズ
追加音楽/歌詞:アンソニー・ドリュー、ジョージ・スタイルズ
演出:リチャード・エア
共同演出/振付:マシュー・ボーン
共同振付:スティーヴン・メア
日本版演出:ジェームズ・パウエル
振付翻案:ジェフリー・ガラット
音楽スーパーヴァイザー:スティーヴン・ブルッカー
[出演]
濱田めぐみ/平原綾香、大貫勇輔/柿澤勇人、駒田一/山路和弘、木村花代/三森千愛、島田歌穂/鈴木ほのか、コング桑田/パパイヤ鈴木、浦嶋りんこ/久保田磨希、小野田龍之介/もう中学生 (以上ダブルキャスト) ほか
公式ホームページ
◆公演情報◆
彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾
『アテネのタイモン』
2017年12月15日(金)~29日(金) 埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
2018年1月5日(金)~8日(月・祝) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
[スタッフ]
作:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)
[出演]
吉田鋼太郎、藤原竜也、柿澤勇人、横田栄司 ほか
公式ホームページ
〈柿澤勇人プロフィル〉
高校生のときに観た劇団四季『ライオンキング』に衝撃を受け、シンバを演じたいと俳優を志す。2007年に倍率100倍以上の難関を突破し劇団四季の養成所に入所。同年デビューし、翌年から立て続けに主演を務める。2009年末、更なる活動の場を求め同劇団を退団。最近の出演作品は、『デスノート THE MUSICAL』、ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』、ミュージカル『フランケンシュタイン』、ミュージカル『ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯』など。

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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