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地球ゴージャス公演『ZEROTOPIA』

もう一回「ZERO」に戻して作品作りをしてみたい

真名子陽子 ライター、エディター


 『ダイワハウス Special 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15 ZEROTOPIA』の制作発表会見が行われました。岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」は、1994年に結成されて以来、岸谷と寺脇以外のメンバーは固定せずゲストを迎えて、これまで14作品のプロデュース公演を行ってきました。

 第15弾となる『ZEROTOPIA(ゼロトピア)』は、豪華客船が沈没し地図にない島に必然的にたどり着いた男女の運命を描きます。その島はユートピア〈理想郷〉へ向かうのか、デストピア〈地獄郷〉へ向かうのか……。「生」という普遍的なテーマを題材にしたエンターテインメント作品です。

 オーディエンスが見守る中、出演者でもある植原卓也と水田航生の司会で、出演者がレッドカーペットを歩いて登場するという豪華な演出で始まった会見。登壇者は、柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江、花澤香菜、水田航生、植原卓也、寺脇康文、岸谷五朗。岸谷と寺脇の絶妙なコンビネーションに出演者たちもつられ、笑いの絶えない会見となりました。

エンターテイナーという言葉はこの人のためにある

岸谷:東京・赤坂ACTシアターから始まり、千秋楽の大阪・フェスティバルホールまで、新作にして長い公演となります。12万人の動員を目指しています。ぜひ、皆さまのお力でこの作品を幸せな作品にしていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。ポスターなどの撮影も見てきましたが、今日こうやって皆さんが並んでいるのを見て、大変興奮しています。素敵なメンバーに集まっていただきました。ひとりずつ僕の思いも込めて紹介していきたいと思います。

 まずは、柚希礼音さん。エンターテイナーという言葉はこの人のためにあるのではないかと思うほどです。世界的なダンサーと一緒に踊っても引けを取らない踊りの強さ、そして正確な歌を歌います。ミュージカルなどは雰囲気で歌うこともあるのですが、礼音ちゃんは正確に歌うんです。

柚希:褒めすぎです! どうしましょう…。

岸谷:しかも踊って歌った後、普通にしゃべって息が乱れていない。以前、そのことを聞いたら、怒られるからと言ってました。

柚希:(笑)。乱れないように心掛けておりました。

岸谷:そんな柚希礼音。役と地球ゴージャスについての思いを聞かせてください。

柚希:地球ゴージャスはいつも楽しく拝見していました。今回、出演することが決まって、とても楽しみです。勇ましく戦う役かなと勝手に想像していたんですけど、その想像を五朗さんは裏切って下さり、罪を抱えたミステリアスな女を演じさせていただきます。

岸谷:いつも本当にいい笑顔なんですね。この笑顔の裏に潜むものをお見せしたいなと思っていますし、地球ゴージャスは“大コメディ”でございますので、いろんな礼音ちゃんを引き出していきたいと思います。

岸谷:W主演の西川君は最強のミュージシャンにして、最強のエンターテイナーです。ライブを見て、ぜひ地球ゴージャスに力を貸してほしいとオファーしました。26年続いている「Act Against AIDS」を今年もさせていただいたのですが、T.M.Revolutionとしてダンサーを引き連れてすごいショーを作ってくれました。そのリハーサルを見たときに閃いたことがありまして、思い切って西川君にお願いしました。最後、一番カッコいい曲で踊るときに、僕と寺脇康文が家庭用扇風機を持って当てさせてもらえないかと。なびくT.M.Revolutionの西川君を見たいがために、家庭用扇風機にヒラヒラするのをつけて当てさせて欲しいとお願いしました。普通のミュージシャンはおそらく、ここは僕の世界なんで…となるところを、目を輝かせてぜひやってくださいと言ってくれました。まさに、これが地球ゴージャスなんです。何カ月も鍛錬して厳しい稽古を積んで、すごいレベルのものを積み上げたうえでのコメディは最高なんです。それをまざまざと日本武道館で見せてくれました。

西川:ただ今、ご紹介に預かりました河童役の西川です。流れついた河童の役ということで、役作りのために頭頂部の髪をできるだけ剃ろうと考えております。僕自身、河童にまだ馴染みがありませんし、幼少期に絵本で読んだくらいです……ので、水かきを作ったり、難しいことはありますが、全身全霊でこの河童という役に魂を近づけて、命がけで河童役をやっていこうと思っています……。

岸谷:西川君、河童の話は内緒なんだけど……。

西川:えっ!? 河童のことしか聞いていなかったですし……。

(寺脇さんも絡みながら、お二人の長~いボケが繰り広げられました)

岸谷:(笑)。とにかく、西川君に関してはとんでもない役です。この鍛えた体です。最後、「ZEROTOPIA」という無人島を支えて立ち上がり、戦う男へと豹変していく男の中の男を演じていただこうと思っております。

寺脇:河童の中の河童……。

西川:きゅうりをたくさん食べて……(笑)

墨で「根性」と書いたハートを持っています

岸谷:はい。続いて、この若さで地球ゴージャスをこよなく愛してくれている新田真剣佑です。魅力をたくさん持った役者です。素晴らしい運動能力を持っていて、そのために体を鍛えることもきちんとわかっていて、でも実は「静」の演技ができる俳優。そして、墨で「根性」と書いたハートを持っています。俳優が一番持っていないといけない根性を持っている男で、実はこの男はこうなんだ、実はこの役者はこうなんだ、という「裏」をまだまだ持っている俳優です。今回は非常に繊細な役どころを演じてもらいます。

新田:ありがとうございます。辛い過去を抱えながら島に流れついて、唯一、恋愛要素がある役かな…。がんばります。

岸谷:ラブストーリーを秘めています。そして、めちゃくちゃ踊りますし歌います。稽古場から楽しみです。そして、宮澤佐江ちゃん。この人を稽古場で見たとき、舞台女優になるために生まれてきたんだなと思いました。本番初日までに駆け上がる姿を見て、この人は舞台の天才だなと思いました。それからさらに千秋楽に向かっていく伸び率もすごくて、気づいたら岸谷と寺脇の先輩女優になっていました(笑)

宮澤:(笑)。初めてのWキャストで、お嬢様で男を虜にする二面性のある役です。過去にいろいろあった人たちが集まるんですけど、その中でも一番ギャップのある役だと聞いています。私がお嬢様!?と思いましたが、役でないと経験できませんので、普段からご丁寧なお言葉を使って(笑)、ナチュラルなお芝居ができるようにしたいと思っています。

岸谷:地球ゴージャス初参戦、花澤香菜です。お嬢様ですが非常に怖い役でもあります。その役をぜひ花澤さんにやって欲しいと思いました。香菜ちゃんが出ている映画を見たときに、この人が貞子をやったらすごいことになるなと思いました。すごく二面性があります。静かでおしとやかでかわいい声ですが、皆さまの知らない花澤香菜さんが今回の地球ゴージャスで出ると思っています。

花澤:普段は声優のお仕事をさせてもらっています。いつもはアニメのキャラクターと二人三脚でやっているんですが、今回は自分で表現をするのでドキドキしています。素敵な共演者の皆さま、そしてスタッフの皆さまも素晴らしい方ばかりです。楽しくならないわけがないと思っています。がんばりますのでよろしくお願いいたします。

今世紀見たことがないくらい歌って踊って殺陣をして

岸谷:そして、地球ゴージャスの主催者でございます。寺脇康文です。

寺脇:今回14作目の出演です。1作だけ出ていないんです。役どころは、たぶん一幕がツッコミ担当で、二幕がボケ担当で……。

岸谷:演劇なんだから、ツッコミとか言うな!

(パーマが失敗しただの、台本がないからわからないだの、岸谷さんと寺脇さんのわちゃわちゃした仲の良いやりとりが……)

寺脇:日々、重苦しい事件があります。皆にも日々いろんなことがあります。そんなことも踏まえて、それぞれが乗り越えていくという希望に満ちた話に、たぶんなるんだろうなあと。よろしくお願いいたします。

岸谷:事務所の後輩で頼りになる二人、水田航生と植原卓也です。どんどん力をつけてくれています。踊り、歌、演技も含めて、頼りになるアクターです。

水田:地球ゴージャスは『怪盗セブン』以来、2回目の出演です。6年経ちますが成長した姿を見ていただきたいですし、地球ゴージャスのステージで恩返しをしていきたいです。まだまだ粗削りなところをどんどん研ぎ澄まして、役者として成長していきたいと思います。五朗さんから、今世紀見たことがないくらい歌って踊って殺陣をして、動きに動かしていくと言われましたので、エンターテインメントの部分をしっかりと担って、芝居でもしっかりと表現をして、『ZEROTOPIA』の一員としてステージに立ちたいと思います。

植原:五朗さんには何度か演出をしていただいたことはあるのですが、舞台上で一緒にお芝居をさせていただくのは初めてで、心からうれしく思っています。ずっと見てきた地球ゴージャスにいつか出たいと思っていましたので、その夢が叶ったことがうれしいです。一生懸命がんばりますので、よろしくお願いいたします。

共演者で無人島へ連れて行くとしたら誰?

岸谷:では、皆さんにひとつ質問します。今回、無人島のお話です。この中で誰か一人だけ無人島へ連れて行くとしたら誰? その理由は? 思いついた人からどうぞ!

宮澤:真剣佑さん。理由は、かわいいから!

植原:水田航生くん。優しいから。

柚希:寺脇さん。私の物まねをしてくれて楽しいから。

(寺脇さん、“柚希さんがなにも考えずにポーっとしているときの立ち方”を披露)

柚希:(笑)。私が立っていると、先の方でいつもこうやって立ってくださってるんです。

岸谷:そんなのを無人島へ連れて行って楽しいか!?(笑)

寺脇:僕は礼音ちゃんを連れて行きたいです。高いところにある木の実を取ってくれるから。

花澤:私は西川さん。河童と一緒に魚釣りがしたい!

西川:宮澤さんから守るために真剣佑を連れて行きます。ちょっとシャイなので、急に近づこうとすると心を閉ざしてしまうので(笑)

岸谷:今日もずっと真剣佑は西川君の後ろにいましたからね。

水田:僕も西川さん。一緒にいたらおもしろいことがありそうなのと、ヤシの実を素手で割ってくれそうなので(笑)

真剣佑:……ワタシは五朗さんと一緒に行きたいです。一緒に海に潜って素手で魚を獲りたいです。

続いて記者からの質問です。

記者:岸谷さんへ。今回の物語を思いついたきっかけと、『ZEROTOPIA』というタイトルに込めた思いをお願いします。

岸谷:ちゃんとした質問をありがとうございます! 地球ゴージャス15作品目になります。今までたくさんの方に見ていただいて、すべて幸せな作品にしていただいているのですが、どこかでもう一度、「ZERO」に戻ってみたいなという思いがありました。最初に作った作品は、何もない空間に舞台や客席を一から作って、劇場自体を改造して作りました。200人しか入らない小屋で2カ月半以上のロングラン公演をしました。今回、そこに立ち返ってみたいな、もう一回「ZERO」に戻して作品作りをしてみたいなと思ったんです。

 今回の作品でたどり着く島は、何もない色彩もない島です。大きな船が沈んで流れ着いた者たちは実は選ばれし者で、何もない「ZERO」の島は果たしてユートピアか、デストピアか……。そんな思いも込めて「ZEROTOPIA」にしました。「ZEROTOPIA」の世界をユートピアにしていくかデストピアにしていくか、この出演者たちが決めていくのではないかと思っています。

 「これから2カ月間、稽古をやります。集まってくださった素晴らしい方々と作品作りをしていきます。いつも演劇でたくさんの挑戦をさせてもらっていますが、それを支えてくださっているのはお客さまです。これからも地球ゴージャスをよろしくお願いいたします」と、岸谷のあいさつで楽しい制作発表会見を終了しました。

◆公演情報◆
『ダイワハウス Special 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15 ZEROTOPIA』
2018年4月9日(月)~5月22日(火) 東京・TBS赤坂ACTシアター
2018年5月29日(火)~6月2日(土) 愛知・刈谷市総合文化センター
2018年6月9日(土)~10日(日)  新潟・新潟テルサ
2018年6月22日(金)~24日(日) 福岡・福岡サンパレス
2018年6月30日(土)~7月1日(日) 広島・広島文化学園HBGホール
2018年7月6日(金)~15日(日) 大阪・フェスティバルホール
[スタッフ]
作・演出:岸谷五朗
[出演]
柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江、花澤香菜、水田航生、植原卓也、寺脇康文、岸谷五朗 ほか
公式サイト

筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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