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龍真咲、宝塚退団後初のミュージカル出演へ

『1789 -バスティーユの恋人たち-』マリー・アントワネット役

真名子陽子 ライター、エディター


拡大龍真咲=安田新之助撮影

 フレンチ・ロック・ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』(以下、『1789』)が、4月~7月にかけて東京・大阪・福岡で再演される。2012年にフランスで初演され、2015年に宝塚歌劇団が日本初演を飾り、2016年には東宝版として上演。その再演となる今作で、宝塚初演時に月組トップスターとして主人公ロナン役を演じた龍真咲が、マリー・アントワネット役で退団後初めてのミュージカルへ出演する。

 大阪で行われた取材会で、作品やマリー・アントワネット役、ロナン役への思い、ミュージカルへ初めて出演する思いなどを丁寧に語ってくれた。

楽曲にどれだけマリーの色を乗せることができるか

記者:まず、作品への意気込みをお願いします。

龍:宝塚の『1789』日本初演時にロナン役をさせていただきましたが、今回は、敵対する憎くて仕方がなかったマリー・アントワネット役です。はじめはうれしい気持ちとできるかなという気持ちがありましたが、今はスチール撮影などを経て、「本当にやるんだな」という実感が出てきました。

記者:演じるマリー・アントワネットの印象は?

龍:『エリザベート』のガラコンサートに出させていただいた時にも思ったのですが、歴史を彩る女性というのは、時代に翻弄されつつも強くしなやかでいないといけないんじゃないかなと感じています。今回はロックミュージカルということで、見た目の華やかさや芝居心ももちろん大事なんですが、楽曲にどれだけ心の色を乗せることができるかということを楽しみながらやりたいなと思っています。

記者:宝塚時代にロナン役を演じたときと今と、マリー・アントワネットに対する印象の違いはありますか?

龍:宝塚では『ベルサイユのばら』の印象が強く、歴史の象徴として、ひとつのシンボルとして描かれているところがありました。とても華やかなイメージがありましたから、そこからマリー像を捉えていました。でも今回は今までと違って、客観的な見方ではなく、時代背景やなぜそういう風になったのかという歴史があると思いますので、『1789』のマリーを演じるにあたって解釈するところはどこかを探りながら、本を読んだりしています。

記者:やはり役作りをする際は、本や資料を見たりされるんですか?

龍:昨年、花總まりさんが音声ガイドをされていたマリー・アントワネット展へ行く機会がありまして、そこに資料がたくさん揃っていましたので、いろいろ勉強させていただきました。また「ベルサイユ宮殿公式写真集」のオフィシャルサポーターをさせていただいたご縁でフランス訪問もでき、マリー・アントワネットが見ていたものや感じたことを、想像だけではなく感覚的にうまく取り入れられたらと思っています。

マリーの寝室が印象的だった

拡大龍真咲=安田新之助撮影

記者:実際にベルサイユ宮殿へ行かれたそうですが、マリー・アントワネットが過ごしたプチ・トリアノン宮殿のことや印象に残っていることを教えてください。

龍:個人的にはマリーの寝室がすごく印象的でした。朝起きたときも、夜寝るときも同じ風景で、この風景を見ながら過ごしていたんだなと。窓枠などのデザイン一つひとつは、温かい色を醸し出しているんですけど、その中にも痛烈な印象があったり……ある部分でとても残酷に見えるデザインだったのがとても興味深かったですね。あと、色合いがきれいだったのは浴室。とても美しくて感動しました。プチ・トリアノン宮殿は、いろいろと再現されているものを見せていただいて、なぜこのお城を持つまで追い詰められたのか、本当に自由奔放だったのか、実際はわからないですけれど、そういうことをいろいろ感じました。ベルサイユ宮殿との距離もすごく微妙な距離だったんですよね。

記者:フランス革命をテーマにした作品は、宝塚でもよくあったと思うんですけど、『1789』の魅力はどういうところにあると思いますか?

龍:フランス革命を国民中心に見ていて、「バスティーユの恋人たち」とサブタイトルにもあるように、3組のカップルを中心に愛の物語が誕生します。そういうところやあとは楽曲の素晴らしさも魅力です。やはり音楽が好きですし歌うことが大好きなので。あとは、華やかさからは遠く残酷なシーンですが、フランス革命を描くにあたってあまり見られない場面から始まります。まずは、話に集中してもらえるように作られている演出は素晴らしいと思います。

ミーハーにならないように気をつけます!

拡大龍真咲=安田新之助撮影

記者:もうすぐ稽古が始まりますが、共演者で楽しみにされている方や話を聞いてみたい方はいますか?

龍:もう、皆さん有名人なので、「あっ、あの方がいる!」みたいな感じになってしまったら、どうしようかなと(笑)。やはり、ミュージカル界のスターの方々が勢揃いされているので……ミーハーにならないように気をつけます!

記者:ロナン役を演じた立場から、「こういうロナンでいて欲しい」ってありますか?

龍:ないです、ないです! 今とてもいい感じに「マリー・アントワネット役をするんだ」という気持ちにシフトチェンジしているので……。余裕があれば、見たり感じたりはできると思うんですけど、今はちょっとでもそちらを見たら、「ロナン、そうだったよね」とか思ってしまいそうなので、なるべく、自分自身に集中したいと思っています。

記者:まだ、ご自身の中にロナンが生きている感覚はありますか?

龍:全然、いますね! 歌詞や台詞も覚えていますし、やはり初演でしたので、一から先生たちが考えながら作っていかれる工程を見ていましたから、一つひとつのシーンがフラッシュバックすることがよくあるんです。

ドレス、私が違和感を覚えてしまったらダメ

拡大龍真咲=安田新之助撮影

記者:ポスターのドレス姿を見ていかがですか?

龍:想像以上に大きくて驚きました。宝塚時代もスカートやドレスを着たことはあったのですが、それ以上に豪華で重くてびっくりしました。最初のテーマカラーはピンクということなのですが、とても素敵なドレスですよね。

記者:違和感はなかったですか?

龍:そうですね……最初に私が違和感を覚えてしまったらダメだと思うので、違和感なく見ていただけるようにがんばります!

記者:ロナン役をやったからこそ見えてくるマリー・アントワネット像はありますか?

龍:イメージとしてはありますが、あくまでもそこはイメージなので…。しかしまだ嫌悪感はあり、マリーの最後の曲で、全てを断ち切って子どもと旦那さんのために生きるという歌も、「何言ってるんだ、今さら遅いよ」って思っていましたから(笑)。そうロナンに思わせないようにがんばりたいと思います。女心を養いたいです。

記者:実生活で男役から女性へのシフトチェンジはできていますか?

龍:まだ、わからないです。ふとした時に歩幅が大きくなってスカートの裾で躓いたりするので、そういうところはまだレッスンが必要かなと思います。宝塚を卒業してから、私の周りを彩る景色が変わりましたので、その変化を柔軟に受け止めて、取り入れて、ナチュラルにできたらいいなと思っています。

初ミュージカル、新しい刺激を正面から受け止めたい

拡大龍真咲=安田新之助撮影

記者:凰稀かなめさんとWキャストです。

龍:共演が決まってから、明日初めてお会いするんですけどドキドキしています。学年もひとつ上ですし、100周年の時もご一緒させていただいて仲良くしてもらっていましたので、すごく楽しみです。

記者:凰稀さんには負けないところは?

龍:すべて負けていると思います(笑)。初演から凰稀さんは出られているので、スタート地点が違います。凰稀さんはじめ、皆さんについていこうと思っています。

記者:オランプ役の夢咲ねねさんとは、在団中に接点はあったのですか?

龍:ねねちゃんとは新人公演の時に組んだりしていたんです。ねねちゃんの初めてのダンスパートナーは私でしたので(笑)。オランプとの絡みがたくさんあるので楽しみですね。

記者:退団後、初めてミュージカル作品へ出演されます。

龍:このようなミュージカル作品に出られるということは、純粋にとてもうれしいですし楽しみです。自分なりに今まで培ってきたものや経験したものはありますが、やはり宝塚とは違います。どれだけ新しい刺激を正面から受け止めることができるかということが新たな挑戦だと思います。女性役を演じるのは初めてなのでやはり心配ですが、なるべく小池先生の頭の中にあるイメージをしっかり理解して演じたいと思います。

――最後に一言、メッセージをお願いいたします。

 演じますマリー・アントワネットは、時代に翻弄されつつも、とても強くしなやかな女性です。宝塚を退団して初のミュージカルで、この役に出会えたことをとてもうれしく思っております。女性役を演じるというのはまだまだ不安ですが、感情をしっかりとふるわせて、“良い子のマリー・アントワネット”を演じるのではなく、“作品に合うマリー・アントワネット”を追求してがんばりたいと思います。私の地元である大阪公演は梅田芸術劇場ではなく新歌舞伎座です。場所をお間違えないように(笑)。いろんなファンの方がいらっしゃると思います。それぞれの視点でどの役に感情移入するかによって、物語のとらえ方が大きく変化するのがこの作品の魅力だと思いますので、いろんな役に興味を持っていただいて、たくさん劇場へ足を運んでくださるとうれしいです。お待ちしております。

◆公演情報◆
ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』
2018年4月9日(月)~5月12日(土) 東京・帝国劇場
2018年6月2日(土)~25日(月) 大阪・新歌舞伎座
2018年7月3日(火)~30日(月) 福岡・博多座
[スタッフ]
潤色/演出: 小池修一郎
[出演]
小池徹平・加藤和樹(Wキャスト)、神田沙也加・夢咲ねね(Wキャスト)、凰稀かなめ・龍真咲(Wキャスト)、三浦涼介、上原理生、渡辺大輔、ソニン、吉野圭吾、坂元健児、 広瀬友祐、岡幸二郎 ほか
公式ホームページ

筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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