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落語ミュージカルで船場言葉勉強中/紅ゆずる

【宝塚~朗らかに~】はんなりした上方の若旦那役に挑戦

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・4月26日紙面(東京本社発行版)より】

拡大落語を題材にした異色ミュージカルに臨む紅ゆずる(撮影・前田充)
 “大阪人トップ”紅ゆずる率いる星組は、異色の「落語ミュージカル」に臨む。大ネタ「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」などをもとにしたミュージカル「ANOTHER WORLD」で、紅は「はんなり、上方の若だんな」にふんする。ショー「Killer Rouge」は、今秋の台湾公演でも上演する新作。兵庫・宝塚大劇場は27日~6月4日、東京宝塚劇場は6月22日~7月22日。

 宝塚の舞台で死後の世界を描き、主人公は「頼りない、はんなりとした若だんな」。参考にした映像は、爆笑王の異名をとった故桂枝雀さん-。米朝一門が十八番とする落語の大ネタ「地獄八景亡者戯」や、「朝友」をもとにした異色の“落語ミュージカル”だ。

 「多分、今まで見たことない(作品)と思います。ほぼ、全員が死んでいるって場面から始まるし」。落語定席の大阪・天満天神繁昌亭へ、見学にも行った。

 「初めて行ったんですけど、おもしろかった。寄席ってこんな雰囲気なのかって、空気感を味わえた」

 ほぼ全場面に出番。衣装も早がわりの連続になる。

 「はけたと思ったら早がわり。1分20秒でかつらも替える。一息つくのは、エンディングまでほぼない。一生懸命やっていることが結果、おもしろくなる。人情ものでもあり、最後にほのぼの感が伝われば」

 紅が演じる両替商の若だんな・康次郎は関西弁。礼真琴ふんする徳三郎は江戸っ子で、対照的なキャラだ。

 「船場言葉なので、イントネーションが難しい。大阪人なのに、勉強しています(笑い)。上方の二枚目なので、全然しっかりしてない。対する徳三郎は、チャキチャキしているので、その対比を出せたら」

 喜劇は、役者の力量に負うところが大きく、紅ならではの芝居が期待される。

 「今回は、引っ張るより、周りに踊らされている感じにしたい。間が空くと、自分が回さなきゃ、という責任感で回してしまうけど、今回は封印。そうしないと、周囲も育たない」

 今作を機に、星組メンバーの自覚、力量アップにも期待する。ショーでも同じ。今作ショーは、秋に控える台湾公演でも上演予定で、先駆けての披露になる。

 「かなり激しいショーになりそう。『押せ押せ』『オレ様系』で。ただ、全編同じではなく、少しポワンとしているところも、いろいろな顔を見せたい」

 紅は13年、柚希礼音がトップ時代の星組で台湾公演を経験。主演として凱旋(がいせん)する。現地での製作発表への往路、機内の隣客が宝塚ファンだった。

 「(現地は)大歓迎で、ありがたかった。朝(現地で)ウオーキングしていたら宝塚のラッピングバスが通って…。(前回公演時に)絶対また帰ってこようと思って、写真集の撮影で行ったけど、あとはプライベートかなと思っていて。まさか、主演で帰れるとは」

 5組最上級生トップも、体制2年目に入った。

 「最近は男性ファンも増え、この間『(紅の)洋服をマネしてみた』という方が…。ついにこういう時代が来たのか、と(笑い)」

 男役冥利(みょうり)に尽きる声も得て、快走を続ける。

 ◆RAKUGO MUSICAL「ANOTHER WORLD」(作・演出=谷正純氏) 「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」「朝友(あさとも)」「死ぬなら今」など、死後の世界を題材にした落語をもとに、「この世」と「あの世」を往来して展開される異色和風ミュージカル。大坂の両替商の若だんな・康次郎は、高津神社の境内で菓子屋の嬢(いと)さん・お澄に一目ぼれ。2人そろって「恋わずらい」で「あの世」へ来てしまう。「あの世」で再会した2人だが、閻魔(えんま)大王の横恋慕にあってしまう。

 ◆タカラヅカ・ワンダーステージ「Killer Rouge(キラー ルージュ)」(作・演出=斎藤吉正氏) 「ルージュ(紅色)」をテーマに、スターの多彩な魅力を表現。宝塚公演は104期初舞台生のお披露目。

 ☆紅(くれない)ゆずる8月17日、大阪市生まれ。02年入団。08年「スカーレット・ピンパーネル」で新人公演初主演。14年「風と共に去りぬ」で全国ツアー初主演。一昨年11月に星組トップ。昨年1月「オーム・シャンティ・オーム」でトップ初主演。その後「-ピンパーネル」で本拠地お披露目。今年2月に中日劇場で名作「うたかたの恋」主演。身長173センチ。愛称「さゆみ」「さゆちゃん」「ゆずるん」「べに子」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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