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評/花組『Senhor CRUZEIRO!』

ほとばしる汗と情熱! 水美舞斗が初のバウホール主演で力の限り踊る

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『Senhor CRUZEIRO!』公演から、クルゼイロ役の水美舞斗=岸隆子撮影

 花組公演、バウ・ラテングルーヴ『Senhor CRUZEIRO(セニョール クルゼイロ)!』—南十字に愛された男—が、5月10日、宝塚バウホールで初日を迎えました。主演の水美舞斗さんは熱い演技とキビキビしたダンス、花男らしいキザりも魅力な、花の95期生。研10を迎え、男役としての完成度が高まってきた今、いよいよ待望のバウホール初主演がやってきました。

 テーマは水美さんの名前をなぞらえた“南十字星”。芝居とショーの2本立てですが、徹底してダンスにこだわっています。壮大なロマンを感じさせる演出と、あらゆるジャンルのダンスが網羅され、「ダンスが得意なスターには、こういうショーを創って欲しかった!」と思わせるほどの濃厚さが憎い。

 そんな舞台に負けじと花組生26名のエネルギーも大爆発しています。全力で踊る水美さんのほとばしる汗がまぶしい、情熱的な公演となりました。

水美の切れ味鋭いダンスが光る

拡大『Senhor CRUZEIRO!』公演から、クルゼイロ役の水美舞斗=岸隆子撮影

 夜空をイメージした舞台の中央に、静かに浮かぶ南十字星。その輝きは、初めて舞台の中央に立つ水美さんへの期待を表しているよう。緊張感がピークに達した頃、ピンスポットを浴びて水美さんが登場すると、堂々としたスターオーラを放ちながら、いきなり切れ味鋭いダンスを炸裂。革ジャンのラフなスタイルで、次々登場する若手たちとともにエネルギッシュなオープニングを飾りました。あまり見たことがない新鮮な振り付けは、星組公演『パッショネイト宝塚!』で話題となった“カポエイラ”を手掛けた森陽子さん。出演者も客席に下りてお客様を巻き込みながら一緒にダンシングすると、劇場内の温度も急上昇です。

――ブラジルで若者を熱狂させるアーティストグループ・セニョールクルゼイロ。中でもリーダーのクルゼイロ(水美)はひときわ人気を誇っていたが、スキャンダルや勝手なパフォーマンスを繰り返し、メンバーたちは不信感を募らせていた。だがクルゼイロは、注目を集めてもっと人気を高めなければいけないと、聞く耳を持とうとしない。

 研10を迎え、男役としての貫禄も備わってきた水美さんは、奔放なスターを演じるのにすでに十分な説得力がありました。クルゼイロは派手な生活を送るだけでなく、年寄りに扮して自分の噂を調査したり、一転、スターに戻って次々と女性を射抜いたりと変幻自在な顔を見せ、魔性の魅力で人を惹きつけていきます。花組で培ってきたキザりを存分に発揮する水美さんは、ゾクゾクさせる色気を漂わせていました。

◆公演情報◆
バウ・ラテングルーヴ
『Senhor CRUZEIRO(セニョール クルゼイロ)!』—南十字に愛された男—
2018年5月10日(木)~ 5月21日(月) 宝塚バウホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:稲葉太地

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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