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スタジオライフインタビュー/若林健吾×千葉健玖

吉田秋生原作『カリフォルニア物語』を10年ぶりに再演

真名子陽子 ライター、エディター


拡大左から、若林健吾、仲原裕之、千葉健玖=冨田実布撮影

 劇団スタジオライフが7月20日から『カリフォルニア物語』を上演する。1978年~1981年に連載された吉田秋生のマンガ原作で、2008年にプロデュース公演として上演。今回、10年ぶりの再演となる。1970年代〜1980年代のアメリカ・カリフォルニアとニューヨークを舞台に繰り広げられる青春物語で、今回は「Studio Life Next GENERATION」と銘打ち、劇団の若手が多くキャスティングされている。カリフォルニアで暮らしている主人公ヒース役を仲原裕之、ヒースがニューヨークへ向かう道中で出会うイーヴ役を若林健吾と千葉健玖(Wキャスト)が演じる。その若林と千葉の対談と仲原の単独インタビューを行った。

原作のイーヴが美形なんで、大丈夫かなって(笑)

――『カリフォルニア物語』を上演すると聞いたときの感想をお願いします。

若林:まず、こんなに若手ばかりとは思わなかったですね。と言っても、入団してもう千葉は6年目、僕も7年目なので、引っ張っていく存在にならないといけないなと思っています。今までも若手公演などでは、がんばってやっていくぞーって言ってたんですけど、今回は、そういう声を出して元気に、とかではなく、「ちゃんと台本を読み込んでいるな」とか、「そんなことまで気づかなかったな」と思ってもらえるように、後輩に示していきたいですね。今まで積み重ねてきたことを言葉ではなく態度で伝えたいし、ヒース役の仲原さんなど大先輩もいますので、この公演に出演する意味を見つけていきたいです。何もなかったというのはあり得ないと思っています。

千葉:入団した頃にもメインどころの役をいただいたことがあったのですが、今回は後輩がたくさんいる中でこういう大きな役を演じさせていただくので、背中で見せるじゃないですけど、先輩としても役どころとしても責任があるなと感じます。入ったときは自分に一生懸命で、自分のことだけをやっていたので。あと思ったのは、原作のイーヴが美形なんで、僕、大丈夫かなって(笑)。

若林:それ思ったよね。僕らが?って(笑)。

千葉:ただそこは、役者として埋めていくところなので、ビジュアルに関しては衣裳さん、メイクさんお願いしますっ!と(笑)。冗談はさておき、形から入るのも大事ですけど、内面から出るものがあると思います。ビジュアルを意識して変な色気を出すと、違う方向へ行ってしまって芝居がおろそかになるから……。最初はこんな美形をやるんだと思ったけれど、原作を読み進めていくうちに、舞台でやるのが楽しみな作品だなと思いました。ちゃんと内面からアプローチをしていった結果、イーヴに見えたらいいなと思います。

画が笑っているから笑おうではなく、なんで笑ってるのか

拡大若林健吾(右)と千葉健玖=冨田実布撮影

――イーヴは抱えているものがとても複雑な役です。

若林:マンガの画(え)をそのまま体現しようと思うと難しいので、それを体現するよりも画の表情から気持ちを考えて、自分たちもその気持ちまで持っていこうと、二人で話し合いながら稽古をしています。画が笑っているから笑おうではなく、なんで笑ってるのか……その笑顔の裏側にはいろんな感情があると思うんです、マンガって。そこを読む人は想像すると思うんですけど、悲しいのに笑うこともあるじゃないですか。そういう風に原作を読み込んで、真似ではなくて気持ちがわかるところまでいきたいですし、もちろんすべてをわかることはできないけれど、わからないところは僕がやる意味でカバーできたらいいなと思います。イーヴみたいに大変な人生は送ってこなかったけれど、イーヴになりきろうではなく、近づいていって気持ちがわかればいいかなと思いますし、そういうアプローチをしていきたいなと思います。

――同じ役をすることでライバル心はあるんですか?

千葉:(若林に)あります? 僕ありますよ!

若林:僕は、あんまりないかも……。

千葉:メラメラしたライバル心ではなくて、稽古場で若さんを見ていて、そうやるんだって思う時もあれば、それは違うだろうって思う時もあるし。

若林:それはある! それをライバル心というならあるわ。わかんなかったらこういうことじゃないの、こういうことだよねって話し合うので、いっさい何も話さないっていうようなライバル心ではなく、良いライバル心だよね。

腑に落ちないと止まってしまう

拡大若林健吾(左)と千葉健玖=冨田実布撮影

――いろいろ話し合いながら稽古を進めているんですね。

千葉:今回、結構話し合ってます。近い期というのもあるよね。これからもっと増えそう……。

若林:増えるよ~! わかんないこともいっぱいあるもん。

――例えば?

千葉:僕らは一役者でイーヴという役をもらっていますから、イーヴを中心に見るんですけど、倉田(淳)さんは演出家ですからもちろん全体を見ているんですよね。でも、そうやって全体を見ながらも、流れの中でスポットを当てる役があるんです。そういうところで倉田さんと僕らで見方が違うことがあるんです。

――そういうときは倉田さんに言うんですか?

千葉:そうだなって思うときもあれば、腑に落ちない時は、僕はこう思うんですけどって聞いたりしますね。そうねって言う時もあれば、これはこうなのって言われる時もある。ちょうど昨日も、倉田さんが言ったことで若さんの動きが止まったんです。僕は客観的に見ていて二人の思いがそれぞれわかったので、休憩に入った時に若さんに、こういうことを言ってるんじゃないかなって言ってみたり。

――なるほど。

若林:わからないですって言うことはないよね。僕はこう思うんですけどって自分の思いや考えを持って聞きます。

拡大若林健吾(左)と千葉健玖=冨田実布撮影

――若林さんは、腑に落ちないと動けなくなってしまうんですね。

若林:ホント、僕のダメなところなんですけど、「え? 今まだ納得できていないんだけど、このまま稽古続けるの?」って思っちゃうんです。

千葉:もう、顔に出てるんですよ(笑)。

若林:それは違うんじゃないかなって思ったら、もうダメで……。別に不機嫌にもネガティブにもなってないんですけどね。

千葉:頭の中でいろんな思いがグルグルしてるんだろうなって。初めてあの若さんを見た人は、態度悪いなこの人って思うはず(笑)。聞けばいいのに黙っちゃうんです。

若林:そうなんだよ! 僕も聞けばいいんだよ!

(一同笑)

若林:その場をつなげなきゃいけないって思うので、休憩に入ってから聞くんです。毎回止めてたら進まないし、もう一度、やってみたらできるときもあるから、その場では聞かずに進めていくんですけど。昨日は、全然違う、そういうことじゃないって、思ってしまって、止まっちゃったんです。

千葉:昨日こそ聞くべきでしたね。

若林:そうだね……。

――そうやって葛藤しながら、疑問をひとつずつクリアしていくんですね。

若林・千葉:そうですね。

◆公演情報◆
スタジオライフ『カリフォルニア物語』
2018年7月20日(金)~8月5日(日) 東京・THE POCKET
公式ホームページ
[スタッフ]
原作:吉田秋生「カリフォルニア物語」(小学館刊)
脚本・演出:倉田淳
[出演]
仲原裕之、宇佐見輝、澤井俊輝、若林健吾、千葉健玖、吉成奨人、伊藤清之、鈴木宏明、前木健太郎//中野亮輔(客演)、宮崎卓真(客演)/石飛幸治、藤原啓児 ほか
〈仲原裕之プロフィル〉
スタジオライフ第八期生(2005年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『アンナ・カレーニナ』『はみだしっ子』『卒塔婆小町』『THE SMALL POPPIES』『エッグ・スタンド』など。
〈若林健吾プロフィル〉
スタジオライフ第十一期生(2012年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『DRACULA~The Point of No Return~』『はみだしっ子』『卒塔婆小町』『THE SMALL POPPIES』『エッグ・スタンド』など。
〈千葉健玖プロフィル〉
スタジオライフ第十二期生(2013年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『DRACULA~The Point of No Return~』『はみだしっ子』『卒塔婆小町』『THE SMALL POPPIES』『エッグ・スタンド』など。

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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