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 韓国の電気製品は世界各地で躍進しているが、タイも例外ではない。家電量販店の店頭に並ぶ、テレビ、エアコン、洗濯機、電子レンジ等の白物家電及びパソコン、デジタルカメラや携帯電話は、殆どが「サムスン」や「LG」の韓国企業の製品である。テレビCMや街角の広告でも韓国企業のものが目立ち、現在の韓国勢の攻勢には目を見張るものがある。

拡大タイで人気のLGの液晶テレビ。今後も売り上げ増が見込まれるという

 タイは「親日国」という国柄や経済的な結びつきの強さから、東南アジアの中でも古くから日本企業が多く進出している。特に電化製品や自動車などの分野で日本製が市場を席巻して来たが、いまやその勢力図はすっかりかわってしまった。韓国系企業はタイを初め、東南アジアの家電市場で日本製品を猛追している。

 躍進目覚ましいのはサムスンである。 携帯電話のシェアではノキアに次いで2位の座に甘んじているものの、携帯電話やタブレット端末を中心に東南アジアでのシェアを拡大しつつある。サムスンはタイ国内のショッピングモールやデパートに独自の売り場を持っていることもあり、最近では、スマートフォンの販売で順調に業績を伸ばし、昨年6月には「ギャラクシーSII」が販売され人気を博している。

 サムスンが携帯電話、パソコン、デジタルカメラ等の通信電子機器を得意としているのに対し、同じく韓国企業のLG電子は、液晶テレビ、エアコン、洗濯機の家庭向け電化製品分野でのシェアを多く持ち、液晶テレビやエアコンは今後も需要が増えるものと見越して生産ライン強化を図っている。

 韓国製家電が支持される理由には、「デザインの斬新さ」と「リーズナブルな価格」という声がよく聞かれる。確かに、家庭で利用する白物家電や携帯電話、デジタルカメラといった韓国製品は、女性ユーザーにも好まれる色合いや柄を使用している。

 バンコクに住む若年層のタイ人は、生活が豊かになりつつある世代であり、新しいものに対して敏感だ。パソコンや携帯電話の購入、所有率はこの若年層に支えられている。性能よりも、見た目の良さやデザインを重視して商品を選ぶ傾向が、韓国製品の人気につながっている。

拡大バンコク・スワンナプーム国際空港近くにあるサムスンの巨大看板。東南アジア各地ではサムスンなど韓国企業の看板が目立つ

 韓国企業製品の勢いは特にこの5年の間に加速度的に広まっている。その背景には、現在タイで起こっている空前の「韓流ブーム」がある。日本と同様に、韓国ドラマやK−POPの人気が根強く、こうした人気を後押しする形で韓国製品のイメージキャラクターやモデルに韓流スターを起用することも多い。まさに波に乗っていると言える。

 対する日本製は、技術的に優れていることが評価され、「高性能」というイメージが強い。しかし、日本国内に於いても大手家電メーカーはここ数年の円高の影響で業績が伸び悩み、事業を縮小するなど苦戦を強いられている。

 さらに昨年は、3月の東日本大震災に加え、10〜11月にはバンコクとアユタヤ周辺を過去最悪とも言われた洪水が襲い、東芝やパナソニックの現地工場も被害を被るなど、自然災害によるダメージを度々受けた。タイ国内での生産ラインや工場操業停止を余儀なくされ、日本での家電製品の入荷が滞るなど年末商戦にも影響が出たことは記憶に新しい。

 今後も東南アジアでの電化製品市場では、韓国勢のさらなる攻勢が予想される。巻き返しを狙う日本企業の商品開発や販売戦略が注目される。

プロフィール

原美和子(はら・みわこ)

フリーライター。1977年生まれ。大学卒業後、韓国系企業に就職。その後韓国在住となり、同国の時事問題、教育、芸能、美容などの分野でライター活動を始める。2009年8月に夫の転勤に伴いタイ、12年に韓国に移り、同国でも執筆を続けている。

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