メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

スピードと深掘りの二刀流目指すリニューアル

~きたないこともきれいなこともとことん論じる新生WEBRONZA

WEBRONZA編集部

拡大リニューアル後のサイトのトップ画面
 

23日に新しいWEBRONZAがローンチ!

 スタートから8年となる朝日新聞の言論サイト・WEBRONZAが23日、全面リニューアルします。政治、経済といった硬派からエンタメなど軟派なジャンルまで、編集部がいま注目の「テーマ」を設定し、各ジャンルの筆者たちが独自の「論」を展開するというスタート以来の「テーマ方式」をあらため、日々、起こっているニュースに即した「論」を機動的にアップする方式に変わります。

 なぜ、長年親しんできた「テーマ方式」を変更するのか? 理由は大きく二つあります。

 第一の理由はスピード重視です。

 善しあしは別として、最近のオピニオンや世論の移り変わりの早さは相当なものです。事件や事象が起こると膨大な量の情報が、新聞やテレビなどのマスメディアにとどまらず、急拡大したネットの世界でもいっせいに流れ、それに関する議論が交わされ、ほんの数日でオピニオンや世論が形成されます。

 言論サイトとしては、そうした流れから取り残されたら致命的。テーマを設定するより、まずは「論」じてみることが必要だと判断しました。

 第二の理由は、WEBRONZAが情報を整理する役割も担いたいからです。

 マスメディアやネットで流れる情報は玉石混交。量の膨大さも相まって、すべてを受け止めていたら、身も心も持ちません。とはいえ、情報疲れに陥って、限られた情報、自分の好きな情報の世界に閉じこもるのは好ましくない。WEBRONZAはあふれかえる情報の中から有意義なものを選びとるヒントを提供したいとも考えています。そのためには、ニュースにできるだけ早く反応して、とりあえず解説をする必要があると考えました。

どんな風に変わるのか?

 それでは、新生WEBRONZAは一体、どんなかたちになるのか。簡単に説明しましょう。

1、毎日4~5本、新たな論考をアップします

 これまでも「政治・国際」「経済・雇用」「社会・スポーツ」「科学・環境」「文化・エンタメ」の5ジャンルごとに、ほぼ日替わりで新しいコンテンツがアップされていましたが、テーマしばりがなくなったことで、よりニュースに即したコンテンツが日々、並びます。上記5ジャンルの範疇に収まらない新たなコンテンツもリニューアルを機に増やします。

2、じっくり考えたいニュースや課題は「特集」で息長くフォロー

 腰を据えておいかけるべきニュース、じっくり考えたい課題、あまり話題にはなっていないけれど見逃してはいけない問題などについては、編集部が「特集」を設定し、息長くフォローをします。

3、イベントなどで読者と論者・筆者が直に接する場もつくります

 ネットの拡大で誰もが発信者になれる時代。メディアは発信者で読者は受信者という関係ではなく、筆者と読者、あるいは筆者同士が対話するかのように交流し、知識や視野を広げる。WEBRONZAをそんな議論の場所にしたいと願っています。その一貫として、論者・筆者と読者が直接接することができるイベントも随時、開きます。

4、新人や若い書き手による大胆な論考もどんどんアップします

 ベテランの論者・筆者の論考はもとより、自らの論を世に問いたい意欲を持つ若い論者や筆者の論考も積極的にアップします。常に多様な論、オピニオンが乱舞するサイトを目指します。

さらなる多様性を求めて

 かたちは中身をつくると言います。リニューアルすれば、当然、中身もこれまでのWEBRONZAとは変わるでしょう。裏を返せば、中身を変えるために、リニューアルをするとも言えます。では、どう中身を変えようと考えているか。次にそれをお話したいと思います。

 4月に編集長になった際、私はサイトに次のように書きました。

――WEBRONZAは、特定の立場やイデオロギーにとらわれた論調を排し、多様な論考が並ぶ「プラットフォーム」なりたいと思います。

 この思いは今も変わりませんが、リニューアルを機に私の方向性をより明確にすると、以下のようになります。

 まず、論考の多様性を求める姿勢はさらに強めます。男性、女性、男女にわけられない方々、若者から年配者までの各年代の人たち、大学を出ている人、大学に行っていない人、日本人や外国人、様々なイデオロギーの方々などなど、それこそ多彩な属性のメンバーに筆者になっていただき、WEBRONZAを賑やかにします。

 第二に、「時代性」と「普遍性」の両方を追求します。リニューアルの狙いとして、日々のニュースに即した「論」を次々とアップすると述べました、ただ、時代の先端ばかりを見ていると、足をすくわれるリスクもあります。ニュースが持つ「時代性」に目配りしつつ、そうしたニュースが生み出された「普遍性」もしっかりとらえる。難しいチャレンジではありますが、「特集」の枠も使いながら、大谷翔平選手にあやかって、「二刀流」を追求していきます。

グローバルな展開も視野に

 第三に、グローバル展開も視野に入れます。新聞やテレビと違い、ネットではアップされたコンテンツは瞬時に世界を駆け巡ります。国内の読者が大切なのはもちろんですが、同時に世界にいる読者にむけたコンテンツも必要ではないでしょうか。それは、外国人かもしれませんし、世界で活躍する日本人かもしれない。いすれにせよ、日本の国外の人たちも興味を抱ける論考をいかに発信するかが課題だと思い定めています。近いうちに外国語による発信にも着手する予定です。

 そもそも、なぜ多様な論考が並ぶ「プラットフォーム」なりたいと思うのか。誤解を恐れずにいうと、それは安易に「答え」を示したくないからです。面倒くさくても、苦しくても、答えは人それぞれが自分で考えて出すしかないと考えるからです。

 鳥が「羽」を持つように、魚が「エラ」を持つように、「頭脳」という他の生物が持たない能力を手に入れた人間がするべきは頭を使って生きることではないでしょうか。あふれかえる情報の中から、自分が「これ」と思うものを選びとり、それに基づき思考し、自らの人生をつくりあげるしかない。そんな自分の足で立とうとする人たちに、考えるヒント、判断するためのツールを提供することが、WEBRONZAにできればと願っているのです。

善と悪、正義と不義はみな表裏一体

 きれいはきたない。きたないはきれい――。

 シェークスピアの四大悲劇のひとつ「マクベス」の冒頭で、三人の魔女はこう囁きあいます。人間や社会の本質を識(し)る稀代の劇作家が、この不思議なセリフにどんな意味を込めたのか。解釈は人それぞれで構わないと思いますが、私はこの言葉を知った若いときから、善と悪、正義と不義、ハッピーとアンハッピーはみな表裏一体であり、人間も社会も背反する二律の間で揺れ動き、辻褄のあわない言動をとったり、矛盾に満ちた事象が起きたりするものだと考えています。

 一見きれいにみえる出来事の裏に実はきたないこともある。きたないとみえたニュースの裏側にきれいな動機がある……。きれいなこともきたないことも、とことん論じるWEBRONZA。リニューアル後の姿をまずはじっくり覧いただき、激励叱咤をよろしくお願いします。

(WEBRONZA編集長・吉田貴文)