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【ポスト・デジタル革命の才人たち】 高城剛さんに聞く 「ウェブの未来」――(2) テレビが変わらなければこの国は変わらない

聞き手:服部桂・朝日新聞ジャーナリスト学校主任研究員

――戦後の大きな変化の一つとしては、高城さんも得意分野のデジタルやネットワーク化といった、情報技術による社会の変化もあると思います。

高城剛さん

高城 それは、米国との関係によって生じた変化だと思います。戦後ずっと米国によって新しいシステムが日本に導入され、アメリカ的なものを私たちは享受してきました。その一つが情報社会です。米国の情報革命が日本にも伝播してきて、一部では「ガラパゴス」と言われるように日本で日本らしい形となって根付いた。

 しかし、日本的システムの情報産業がうまくコピーできずに間違えてしまった部分もある。日本の若者がダメになったのはゆとり教育のせいだ、小泉改革のせいだ、などと言われますが、僕は「iモード」のせいだと思う。

 NTTは大きなスポンサーなので、ここから先はテレビの取材を受けても普通はカットされてしまう部分ですが、iモードが日本人をフラット化した感性と行動のガラパゴスに囲い込んでしまって、若い人たちの世界を狭くしてしまった。また、便利至上主義をはびこらせてしまった。若い人たちが外の世界に興味を持たなくなって、ケータイさえいじっていれば幸せだという。おかげで国や社会が変化しづらくなってしまいました。

――iモードに象徴されるようなIT技術が日本や世界をダメにしているということですか。

高城 いや、これは日本に限った「日本式IT」の話です。iモードはオープンなシステムではありません。発信力も弱い。でもこういう発言はマスメディアではカットされてしまう。NTTドコモが大スポンサーだからです。

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