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同じ負けを繰り返した体操男子日本

潮智史

潮智史 朝日新聞編集委員

 審判へのアピールが認められての体操男子団体の銀メダル獲得。2位から3位への順位降格となる地元英国ファンからのブーイングにさらされながら、最終順位が4位から2位にあがった日本の選手の表情は複雑なものだった。

 よもやメダルを逃すことなど考えられなかった。想定していたのは中国との優勝争い。中国対策を練り上げての挑戦だった。それを考えれば、日本体操にとっては今回のロンドン五輪は負けという評価になるだろう。

 予選から波乱の幕開けだった。一騎打ちと見られていた日本と中国に失敗が続いた。会場をどよめきが包んでいた。予選の悪い流れを断ち切り、立て直しができるか。優勝争いのポイントはそこに絞り込まれていた。

 実は、ロンドン五輪では日本に有利と見られていたルール変更があった。昨年、中国が優勝した東京の世界選手権ではチーム6人のうち3人が演技してその合計得点で6―3―3制から、今大会は5―3―3制に変更された。チームを組む選手数が減ったことで、ひとり当たりが演技する負担は増える。各種目のスペシャリストを巧みに組み合わせて高得点を重ねていく分業制をとっていた中国には負担になり、もともと全6種目を演技してこそ体操という価値観の根強い日本にとっては歓迎できるものだった。

 しかし、

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