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「週刊朝日」自身の検証が不十分だった

西岡研介

西岡研介 フリーランスライター

 「TBSは今日、死んだに等しいと思います……」

 1989年にTBSのワイドショースタッフが、オウム真理教を批判していた坂本堤弁護士のインタビュー映像を、放映前にオウム真理教幹部に見せたことが、坂本弁護士一家殺害事件に繋がったとされる「ビデオ問題」。それを同局が公式に認めた96年、故筑紫哲也氏は、自らの番組「NEWS23」でこう発言し、TBSを批判した。

 かつては朝日新聞の記者で、雑誌『朝日ジャーナル』の編集長も務めていた筑紫氏になぞらえて言えば、こういうことなのだろう。

 『週刊朝日』は死んだ。

 私自身、週刊朝日では単発の記事だけでなく、何度か連載も書かせてもらい、版元の朝日新聞出版からは単行本も上梓させてもらった。また週刊朝日編集部には、もはや「仲間」と言えるほど信頼できる編集者もいれば、親しい記者もいる。が、やはり、今回はこう言わざるを得ない。

 理由は三つある。

 一つ目は、

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