2012年12月06日
この3校に共通しているのが、充実の「S&C」である。「S」はStrength(ストレングス)の頭文字で、実践的なからだの強さ・パワーを指す。つまりフィジカル、体力強化の部分。ラグビーの勝負のポイントが接点のボール争奪戦である以上、コンタクトプレーの優劣が勝敗を左右することになる。
「C」はConditioningの頭文字で、生活習慣や練習・試合前後の日常のケアをいう。要は実力を試合でフルに発揮させる心身の準備ということだ。
U20(20歳以下)日本代表監督でもある日本ラグビー協会の中竹竜二コーチングディレクターは今季の大学ラグビー界をこう、評した。「戦略云々、ハンドリングスキルはともかく、チームが強いかどうかは、S&Cがちゃんとしているかどうかです。ふだん、しっかり練習しているかどうか、しっかりウエイトやって、しっかり当たっているかどうか、それが試合に出ています」と。
そういった意味では、史上初の大学選手権4連覇を目指す帝京大が一番、安定している。早大、明大、慶大を撃破。対抗戦の最終戦で筑波大に敗れはしたが、それは対抗戦優勝を決めた翌週だったからだろう。接点で受けに回ったため、ブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)で後手を踏み、筑波大の好タックルにリズムを崩した。
でも実力的には、やはり優勝候補の最右翼とみる。練習では週に2日、ボールを持たないストレングス強化の時間を設けている。筋力トレーニングがきっちりしているからだろう、ほとんどの学生が大きくなって、FW、バックスともパワーを増している。例えば、バックスの軸の3年生、中村亮士も入学時から10キロ余増えて、体重が94キロとなった。
栄養士、トレーナーがついて食事もよく管理され、生活の規律も厳しいようだ。岩出雅之監督が学生の精神面も細かく指導している。監督は言う。「要は心とからだのバランス。1日24時間中、ラグビーの練習はせいぜい、2、3時間。残りの時間を学生がきっちりし始めたら、チームは強くなっていく」と。
帝京大に2年ぶりの黒星をつけた筑波大は今季、
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