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「袴田さん事件」会見での袴田さんの姉ひで子さんの涙

久田将義 編集者

 世の中に悲劇は数多くあるが、冤罪ほど酷く、やり切れないものはないかも知れない。「自分がやった事」に対して責任が生じるのは致し方ないが、「やっていない事」に「ペナルティ(罰)」が科せられるとしたら……。罰の対象が自分の命だとしたらと考えると、こんなに恐ろしい事はないだろう。

 そのような過酷な状況下に置かれてきたのが袴田巌さんである。余りにも長きに渡って拘束された死刑確定囚として、ギネス認定されたほどの長期間の苦しみに耐えてきた。

 2010年4月20日に衆院参院で設立総会を開き、「袴田巌死刑囚救援議員連盟」が発足されたのだが、その前の段階だから2009年頃だったのかも知れない。

 衆議院議員会館で鈴木宗男新党大地代表(当時)の呼び掛けで、マスコミ関係者が集められ懇談会のようなものが行われた。僕もその時に声をかけられ、出席した。記者発表のような大々的なものではなく、集められたマスコミも、さほど多くなかった。超党派で「袴田巌死刑囚救援議員連盟」を設立する、という発表の場だったように記憶している。

 鈴木宗男氏の、熱い訴えも印象的だったが、最も脳裏に焼き付いているのが実姉ひで子さんのスピーチだった。現在は、回復傾向にあると言われている袴田さんの拘禁症に関してだが、当時は酷かったようで、ひで子さんの事すら認知できない事もあると言われていた。涙ながらの訴えだったと記憶している。48年間も「やってもいない事」に対して死をもって償えという恐怖は想像もつかない。例えば「宣告」(加賀乙彦著)を読む事によって、そのような状況が想像出来るが、読めば読むほど ・・・続きを読む
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筆者

久田将義

久田将義(ひさだ・まさよし) 編集者

TABLO編集長。1967年、東京都生まれ。法政大社会学部卒業後、産経メディックスに入社。三才ブックス、ワニマガジン社の後、ミリオン出版に移籍し2001年から「実話ナックルズ」編集長。06年に選択出版に移り、週刊朝日を経てミリオン出版に復帰。12年9月まで編集局次長。犯罪や芸能界に詳しい。著書に『トラブルなう』『原発アウトロー青春白書』『僕たちの時代』(青木理氏と共著)。

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