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日本でも、“プロによる芸術としてのバレエを観る時代”のスタート──日本バレエ団連盟設立

菘あつこ

  どんな芸術でもそうだが、初めて観たものが、ある一定以上のレベルでないと魅力が伝わりにくいことが多い。今、日本でバレエを初めて観ようとする人に、その“一定以上のレベル”を提供できているだろうか?

  日本ではバレエは“お稽古ごと”というイメージが強い。約100年前に日本にバレエが入ってきてから、女の子が生まれたら習わせたい(最近は男の子も増えて来た)“お稽古ごと”として日本の社会に根付いてきた。今、国内には4500か所を超えるバレエ教室があり、そこで学ぶ生徒数は40万人以上という調査もある。一般に「バレエを観たことがありますか?」と聞くと「子どもの発表会、子どものお友達の発表会は観たことがあるんですけど……」と話す人が多い。

 ところでその中には、「ちゃんとしたプロの公演を観てみたい」という人も結構いるように感じられる。だが、どこに行けば観られるのか? どのバレエ団、演目を選べば良いのか? どうやってチケットを取るのか?……とても分かりにくいのが現状だ。日本のバレエ団のチケットは、その系列のバレエ教室の生徒やその家族、関係者にしかほとんど行き渡っていないという例も多々ある。また、海外から来た横文字バレエ団だから良いかと言うと、それなりの名前をつけていても寄せ集めのツアーカンパニーなどでは、レベルの低い踊りしか観せてくれない例もある。

 世界に羽ばたいた日本人ダンサーがブノワ賞を筆頭に大きな賞を多々獲得している時代、ヨーロッパやアメリカで活躍する日本人ダンサーが年々増え続けている時代に、国内ではまだまだそんな状況なのだ。野球にたとえれば、大リーグで活躍する日本人選手が増えていながら、国内にはプロ野球リーグがない──みたいな感じ。

 そんな中、9月1日付で、日本のプロバレエリーグとも言えそうな「一般社団法人日本バレエ団連盟」が設立された。これは、文化庁の依頼で移動芸術祭開催などを行ってきた東京バレエ協議会が発展的解消をして設立したもので、東京だけでなく関西の2団体も会員とした全国組織としてスタート。正会員団体は、井上バレエ団、小林紀子バレエシアター、貞松・浜田バレエ団、スターダンサーズ・バレエ団、橘秋子記念財団(牧阿佐美バレエ団)、東京シティ・バレエ団、日本舞台芸術振興会(チャイコフスキー記念東京バレエ団)、法村友井バレエ団。準会員団体として新国立劇場バレエ団が名を連ね ・・・続きを読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

フリージャーナリスト。立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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