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バレエダンサーで活躍するには海外留学が必要か

日本にも専門教育を受けられるバレエ学校をつくるべきでは

菘あつこ フリージャーナリスト

ローザンヌ国際バレエコンクールで5位に入賞し喜びの表情を見せる金原理奈さん=2015年2月7日、スイス西部ローザンヌ拡大ローザンヌ国際バレエコンクールで5位に入賞し喜びの表情を見せる金原理奈さん=2015年2月7日、スイス西部ローザンヌ
 バレエダンサーの登竜門であるローザンヌ国際バレエコンクールが2月2~7日、スイスのボーリュ劇場で開催された。映像審査で約300人の応募者の中から18か国67名が参加を許され、その中に日本人は10名(女子7名、男子3名)。入賞は6位までとされているが、伊藤充さんが3位、金原里奈さんが5位で入賞。複数の入賞者がいたのは日本のみだ。

 ところで、伊藤さんはリスボン国立芸術学院舞踊学校、金原さんはモナコ王立バレエアカデミーと二人とも海外留学中だ。入賞は逃したが、ファイナルに残ったもう一人の日本人、速水渉悟さんもドイツ・シュツットガルトのジョン・クランコ・バレエスクールに留学中。

 これを見て、バレエダンサーとして活躍するには早めの海外留学が必要なものなのかと感じられた方もいらっしゃるかも知れない。もちろん、バレエは西欧発祥の芸術だから、その文化が生活にも根付く土地で学ぶことは大いに意義があるし、日本にはない充実したカリキュラムでのバレエ教育を受けることができるのも事実だ。だが、昨年1位を獲得した二山治雄さんや、2012年に1位を獲得した菅井円加さんは、日本で生活しながらバレエに取り組んでいた。どちらもローザンヌのスカラシップで、その後、海外での教育を受ける機会を得たわけだ。

 さらに言えば、留学経験がなく海外で主役を踊るダンサーになる例がないわけではない。現在、英国ロイヤルバレエ団ソリストで主役の機会もある金子扶生さんは、ブルガリアのヴァルナ国際コンクールで1位など海外での賞歴は多数あったが留学経験はなく、高校卒業まで、幼い頃から通う日本のバレエ教室と学校を両立させながら過ごし、英国ロイヤルに入団した。これはかなり稀有な例ではあるが。

 バレエ留学をするかどうか、また何歳くらいで、というのは、それぞれの事情でさまざま。どうするのが良いということは一概に言えないが、近年、バレエ留学の機会が増えていることは事実だ。

 そもそも、バレエ留学とは何か? 西欧やロシアでは、プロのバレエダンサーの卵は、だいたい10歳前後からバレエの専門教育が受けられる“バレエ学校”に入学する。日本で公演を行ったことがあるロシアのボリショイ・バレエ学校、フランスのパリ・オペラ座バレエ学校等 ・・・続きを読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

フリージャーナリスト。立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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