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若者の野球離れに危機感、メジャーの時短改革

プロ野球と同じく試合時間が長いメジャーが時間短縮に厳しいルールに乗り出した

出村義和

 野茂英雄がメジャーに挑戦してから20年。

 その歳月の中で50人を超える日本人メジャーリーガーが誕生、野球ファンを喜ばせてきただけでなく、その一挙手一投足は依然として国民的関心を集めている。また、日本球界は彼らの存在によって有形無形の影響を受けてきた。

  メジャーへの挑戦は野茂以来絶えることなく続き、日本人選手は毎年メジャー入りを果たしてきたが。だが「20年」という節目の年に途切れるのは何とも皮肉だ。しかも、日本人最強投手といわれるダルビッシュ有(レンジャーズ)が復帰まで1年以上かかる右ヒジ靭帯修復手術(トミー・ジョン手術)を受けてしまったことで、日本におけるメジャー報道は例年に比べるとかなりの減少がみられるかもしれない。

  しかし、今年のメジャーは日本球界にも少なからず影響を及ぼす重要なシーズンになるだろう。懸案だった試合時間の短縮に本格的に取り組むからだ。長くなる一方の試合時間は日米共通の課題である。昨年、メジャーの平均時間は初めて3時間を超え、MLB機構によると3時間2分21秒。ちなみNPBは(日本プロ野球)は3時間17分だ。

マイナーを相手に投球するヤンキースの田中将大=2014年9月16日、米フロリダ州タンパ拡大マイナーを相手に投球するヤンキースの田中将大=2014年9月16日、米フロリダ州タンパ
  「より多くの人々に野球を親しんでもらうための一環」と、時短の重要性を強く訴えるのは1月にコミッショナーに就任したばかりのロブ・マンフレッドだ。

  アメリカではフットボールやバスケットボール人気に押され、若者層の野球離れが加速している。その原因のひとつとして指摘されるのが試合時間の長さというわけだ。1981年には2時間33分でしかなかったのが、ほぼ30分もスローダウンしてしまった。一方で、社会のあらゆる事象はスピードアップするばかり。

  「無駄な時間を省いて、試合の流れをよくするルール変更」(マンフレッド・コミッショナー)はMLB機構と選手会が合意して2月に発表された。

  キャンプ取材でいったフロリダ、アリゾナの球場はその準備がすでにできていた。外野センター寄りと、ネット裏に設置されていた2台のカウントダウン用のタイマー。何を計測するのか。まず、攻守交代の時間。テレビのローカル中継のある場合は2分25秒、全米中継では2分45秒で完了することが徹底される。投手は残り30秒までに投球練習を終え、打者は5秒までに打席に入らなければならない。

 そして、投手は制限時間での投球を義務付けられる。違反した場合は打者にはストライク、投手にはボールが宣告される。次に、投手がボールを受けてから20秒以内に投球しなければならない「20秒ルール」の徹底。この場合の違反にもボールのペナルティーが科せられる。

  また、打者には時間の計測ではなく、基本的にバッターボックスを外すこと(片足は認める)を禁じている。違反すれば ・・・続きを読む
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筆者

出村義和

出村義和(でむら・よしかず) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1950年、東京生まれ。法政大学社会学部、ユタ州立大学ジャーナリズム科卒。ベースボールマガジン社でアメリカ総局特派員、週刊ベースボール編集長などを務め、86年からフリー。ニューヨークを拠点に、スポーツから政治、ビジネスまで幅広い範囲をカバー。2005年に帰国後、新聞、雑誌などに執筆する一方で、スカパー!「MLBライブ」の解説を務め、09年からはJスポーツでMLBの解説者となる。著書に『英語で聞いてみるかベースボール』『メジャーリーガーズ』など。

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