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REONという伝説

宝塚歌劇の新しい世紀の幕開けで橋渡しをした柚希礼音さん

町亞聖 フリーアナウンサー

組子たちに見守られ、サヨナラのあいさつをする柚希礼音さん=2015年3月9日、兵庫県宝塚市拡大組子たちに見守られ、サヨナラのあいさつをする柚希礼音さん=2015年3月9日、兵庫県宝塚市
 去年100周年を迎えた宝塚。私が宝塚を観劇するようになってまだ10年あまり。1世紀という長きに渡る歴史のほんの一端を垣間見ているだけで宝塚を支えているファンの中ではまだまだ新米。そんな私が今回は僭越ながら宝塚に関して記事を書かせていただく機会を得たが、やはり節目を迎え新たな1世紀の一歩を歩みだした宝塚を語る上で星組男役トップスターの柚希礼音さんのことを書かないわけにはいかない。

 記念すべきメモリアルイヤーの先頭を走り続けてきた“トップ・オブ・トップ”と言われる柚希礼音さん。彼女の華麗なる男役の見納めとなる最後の舞台を東京宝塚劇場で観てきた。ミュージカル「黒豹のごとく」もレビュー「Dear DIAMOND‼」も、全てが柚希礼音のために作られていた。“深く、しなやかで、しかも俊敏”という魅惑的なイメージを持つ黒豹と呼ばれた海軍将校役、そして柚希さんを“ダイヤモンド”に見立てたレビューも演出家達の彼女への想いが溢れたステージだった。

 100周年から101年目を迎える歴史的な瞬間の橋渡し役という重責を柚希さんは果たしてきた。できればこのまま永遠にこの場所にいて欲しいと、ファンの誰もが思っているだろう。しかし、柚希さんだけでなく宝塚では男役トップになった日から卒業に向けてのカウントダウンがすでに始まっている。その日がいつ来るのかは分からない。そんなトップの座を最長に迫る6年あまり柚希さんは務めてきた。「トップは立派で完璧でなくてはならない」。そんな想いに囚われてしまった時もあったという。そのプレッシャーの大きさは想像すらすることは出来ない。そこに立ったものにしか分からないし、また400人を超える宝塚の生徒の中でも頂点に上り詰めることが出来るのはほんの一握り・・・・・・。

 今でこそダンス、歌、演技と三拍子がそろい、しかも本物の男性よりも“男”を感じさせる柚希さんだが、入団当初からダンスは得意だったものの、実は歌も演技も苦手で、若い頃は先輩から本当に厳しく指導され涙を流したことも一度ではない。そんな劣等生だった彼女 ・・・続きを読む
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筆者

町亞聖

町亞聖(まち・あせい) フリーアナウンサー

フリーアナウンサー。1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。その後、報道局に移り、報道キャスター、厚生労働省担当記者としてがん医療、医療事故、難病などの医療問題や介護問題などを取材。2011年、フリーに転身。脳障害のため車椅子の生活を送っていた母と過ごした10年の日々、母と父をがんで亡くした経験をまとめた著書『十年介護』を出版している。現在、TOKYO MX「週末めとろポリシャン!」(金曜午前11時~12時)、文化放送「大竹まことのゴールデンラジオ!」(水曜午後1時~3時30分)などに出演。

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