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小学校受験させるサラリーマンがなぜ増えているか

減る「小金持ちの自営業者」、中学受験に寛容な付属小学校も

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 前半では、芸能人たちが子供を名門Z学院に通わせたがる理由に言及した。後半では、私立小学校受験の現在についてみてみたい。

 前半で書いたように、江角マキ子のママ友騒動の余波で名門Z学院は中学受験の志願者を減らしたが、小学校の志願者は減らなかった。そして、『花子とアン』の舞台になった東洋英和は中学受験の志願者は大幅に増やしたが、小学校の志願者は変わっていない。つまり、中学入試はマスコミの報道で左右されるが、小学校受験は影響を受けないのだ。

 理由としては、まず、中学受験は受験生自身つまり子供の意思が反映される。『花子とアン』を見て東洋英和を受験したいと思った小学生女子は実に多い。

 「『花子とアン』で東洋英和を知った。インターネットでホームページをみたら制服がとても可愛くて通いたいと思った」と話す小学生受験生も実際にいた。

小学校受験塾では、授業を始める前に「こんにちは」と必ずあいさつする=2009年、横浜市青葉区拡大小学校受験塾では、授業を始める前に「こんにちは」と必ずあいさつする=2009年、横浜市青葉区
 また、保護者も中学受験と小学校受験だと質が違ってくる。首都圏の中学校受験はパイが大きいので、情報をもっていない保護者も多いため、マスコミの報道で左右されがちだ。ところが小学校受験はパイが狭いので、キチンとした情報を持っている保護者が大半を占め、そうそうマスコミの報道に左右されない。

 さて、私立小学校に子供を受験させるのはどういう人たちなのだろうか。かつては、私立小学校は、自営業者の子女が行くものであった。

 世田谷や目黒方面の私立小学校には、ずらりと送り迎えのベンツやBMWが並んでいたという。資産家や自営業者にとって子供は、自分たちの資産や会社を継ぐ器だ。開業医なども、私立の医学部に子供を進学させて、病院をつがせようとした。

 彼らは子供に鞭を打って勉強させようとはしなかった。なぜなら、あまり教育を与えると、 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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