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バレエの世界で有色人種であることの意味

アフリカ系黒人女性ミスティ・コープランドが米の代表的バレエ団でプリンシパルに昇格

菘あつこ フリージャーナリスト

「火の鳥」を踊るミスティ・コープランド=(C)Gene Schiavone拡大「火の鳥」を踊るミスティ・コープランド=(C)Gene Schiavone
 アメリカを代表するバレエ団で、世界最高峰のバレエ団のひとつといえるアメリカン・バレエ・シアター(以下、ABT)のプリンシパルに、この8月1日付でアフリカ系黒人女性で初めてミスティ・コープランド(32)が昇格した。新しいプリンシパルの誕生に心から拍手を送りたい。

 彼女がスポーツブランド「アンダーアーマー」(昨年、日本のプロ野球の巨人と5年総額50臆円のパートナーシップ契約を結んだことでも話題になった新興ブランド)と契約を結んで出演したCMはインターネット上で490万回以上再生されているそう。そのCMは、彼女がバレエの五番ポジションからトゥシューズでゆっくりと、つま先立ちする足のアップから始まる。タイツは履いていない褐色の脚についた美しい筋肉、それに重ねて、彼女が13歳の時に受け取ったバレエ学校からの不合格通知の文章が読み上げられる。後半にはしなやかにジャンプ、スピーディに回転し、私たちを魅了する。

 アメリカの決して裕福ではない家庭で育ち、無料のバレエレッスンからスタートしたミスティのバレエ、決して平坦な道のりではなかったわけで、そこから努力を重ねて勝ち取ったトップダンサーの座は世界中の感動を誘い「TIME」誌の選ぶ「影響力のある100人」にも選ばれている。

 ところでこのプリンシパル昇格のニュース、インターネットサイト上などで、黒人で凄い!という取り上げ方をしているものが多いようだ。アフリカ系黒人女性初というでことで初なのだが、 ・・・続きを読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

フリージャーナリスト。立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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