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今勝ち抜く男子はなぜマザコンか山田涼介と賢い母

東大合格者とジャニーズ新スターの共通点は、親のフォロー力

杉浦由美子 ノンフィクションライター

自立して努力する子は、親がちゃんと手をかけている

 前編では『Hey! Say! JUMP』の山田涼介は、いわゆる”ごり押し”ではなく、ファンが見いだしたスターであることを述べた。後半では、彼の成功を支えた大きな存在として、母親をクローズアップしてみたい。
予備校講師でタレントの林修は、東大合格者の特徴として、「マザコン」「親から勉強しろといわれたことがない」を挙げる。

メジャーデビューを目ざしライブハウスなどで活動する「地下アイドル」のファンには社会人も目立つという=2014年10月、東京都内拡大メジャーデビューを目ざしライブハウスなどで活動する「地下アイドル」のファンには社会人も目立つという=2014年10月、東京都内
 林はこう話す。

 「母親が手をかけてきっちり育てているので、子供はそんな母親のことを大好きになるからマザコンになる。そして、親が子供のことをちゃんと見ているから、勉強をしろなんて言わないのです」(『女性セブン』2013年6月13日号)

 なぜ、勉強せよ、といわれなくても、彼らは自発的に勉強をするのか。それは親がキチンと勉強をする目的を教え、そして、子供をみていてケアをしているからだ。

 林の言葉を読み、頭に浮かんだのが、山田涼介の母親である。

 山田は1993年に生まれる。母親がジャニーズ、特に『KinKi Kids』の堂本光一のファンで、山田は幼い頃から『KinKi Kids』のCDを聴いて育つ。その母親の意向で、2004年、山田は小学校5年生の時に、テレビ番組の公開オーディション企画に応募し、追加合格者としてジャニーズ事務所に入った。ジャニーズ事務所でデビュー前のタレントを一般的に「ジャニーズJr.」(以下、Jr.)と呼ぶ。Jr.の数は100人以上とも言われている。このJr.の中で、豪華な衣装を着てマイクを持って歌わせてもらえる子はごく少数で、他はパジャマのようなシンプルな衣装で、後ろの方で踊ることになる。入所して、前に出られる子もいるが、前編で書いたように、山田はそうではなかった。それを当時小学生だった彼本人はどう感じていたのか。

 「大勢いる中で、僕はいちばん後ろの端っこで。レッスン場、鏡ばりなんですけど、後ろすぎて自分の姿が鏡に映んなくて、もう何も見えない。自分が踊れているのかどうかもわかんない。そんなこと、ポロっと言ったのかな。親が大きな鏡を買ってくれて。家でよくダンスの練習をしてました。踊ってる姿を家族に見られると、”あっち行って!”とか言って、なつかしーなー」(集英社『Myojo』2014年8月号)

”実力じゃねえなーって”と一度は挫折しかける

 同じ頃に入った仲間はどんどん前に出て、マイクを持つようになる。山田はその後ろで踊るわけで悔しかったという。辞めようとしたこともあり、その時の気持ちをこう語っている。

 「何度も、なんか、”実力じゃねえなー”って思っちゃてた時期もあって。社長や誰かの目に留まる運も必要なんだなって」(集英社『Myojo』2014年8月号)

 しかし、辞めなかった理由として ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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