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パクられた側は容易にパクった犯人を見つけられる

ネットの利便性と恐ろしさを知らなかった東京五輪の大会組織委員会

石川温 ジャーナリスト

 2020年東京オリンピック・パラリンピックの佐野研二郎氏がデザインしたエンブレム問題は、使用を中止するという結論に至った。

五輪エンブレムをはがす作業員ら=2015年9月2日、千葉県の成田空港五輪エンブレムをはがす作業員ら=2015年9月2日、千葉県の成田空港
 今回の騒動が一気に顕在化した背景にあるのは、インターネットの検索技術に他ならない。

 検索最大手のグーグルには「グーグル画像検索」というメニューが存在する。通常、自分が探し出したい画像のキーワードをいくつか打ち込み、検索をかけることで、それに合った画像を見つけ出せるというものだ。

 また、グーグル画像検索には手元にある画像をアップロード、あるいはネット上にある画像を指定して、これと同じ画像や似たような画像を検索する、という機能もある。
グーグル以外にも似たようなサービスもあるし、これらをベースにさらに利便性を高めたサービスも存在する。

 佐野氏の騒動では、サントリーのプレゼント懸賞用としてデザインされたトートバッグや過去の作品に対して、ネット上で様々な「パクり元」が見つけ出されたが、このような検索サービスを使って見つけ出されたのだろう。

 筆者はデザイナーではないが、記者会見などに取材に行き、撮影した写真を原稿と一緒に記事としてWebに掲載するのを仕事としている。

 自分で撮影した写真データが、他のブログサイトで平気でパクられているのを何度も目撃している。自分でパクられている先を見つけられなくても、グーグルの画像検索をかけてみると、自分が撮影した画像データがどこで使われているかを簡単に把握できてしまうのだ。

 つまり、パクられた側は簡単にパクった犯人を見つけることができる。

 おそらく

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