米国では4257安打は参考記録扱い、50歳までプレーし論争に終止符打つか
2016年06月22日
一方、アメリカでも通信社をはじめ、多くのメディアが速報で伝え、特集記事を組んだ。
しかし、そのほとんどは記録達成という報道ではなく、偉業という位置づけで伝えるものだった。例えば、ニューヨーク・タイムズ紙の電子版の見出しは「イチローは参考記録としてピート・ローズを抜く」というものであった。しかし、この記事の中にも取り上げられているが、今回の報道で目立ったのは「ローズとイチロー、どちらがヒットキングか」という論争記事である。
ローズはイチローが日米通算記録を達成する前日、『USA TODAY』紙で「自分の記録と比較することはできない。日本では私を安打のクイーン(2番目)にしようとしている」と発言。これが火をつけた形になり、主にネットのスポーツサイトでは格好のネタのネタとなった。
日米通算記録がメジャーでは参考記録にしか過ぎないというのは関係者だけでなく、アメリカのファンの間における共通認識である。
イチローが日米通算3000安打、4000安打に到達したときも「合算してメジャーの記録として認めるべきか、否か」といった論点の報道もあったが、大きな論争になることはなかった。それは「記録は同じリーグでなければ比較できるものではない」と、イチローが所属するマーリンズのドン・マティングリー監督がいうように、極めてシンプルな見解が浸透しているからだ。
しかし、そうであっても今回論争が起こったのは、何といってもローズというキャラクターが原因だ。広く知られているように、ローズはレッズ監督時代に野球賭博容疑で永久追放され、その後脱税容疑で収監された過去を持つ、いわばヒール。そのいわくつきのキングがイチローへのリスペクトを口にしながらも、日本野球のレベルに懐疑的な姿勢を崩さない。そこから論争が盛り上がっていったわけだ。
時代背景に始まって、打席数との比較など細かい記録での比較など、日米のヒットメーカーは論争のターゲットになった。これはどちらが上、下ということを問題にしているのではなく
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