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なぜ男性保育士は疎まれるのか(中)

報道が「子どもが性の対象になる」という認識を作っていく

杉浦由美子

 (上)では、男性保育士が保護者から疎まれる理由として、子どもが性の対象となりうるという認識の高まりを指摘した。ロリコンではないと分かっていても、保護者は男性保育士が娘の身体に触れることに抵抗を示す。今回の記事、(中)ではなぜ、子どもは性の対象になりうるという意識が広まったのかを考えてみたい。

子どもの犯罪被害の数は大幅に減少している

 子どもの犯罪被害は増えているのか、といえば、そうではない。実は減っているのだ。平成25年度版『警察白書』によれば、13歳未満の子どもの被害者数は、平成15年(2003年)が38387人で、平成24年(2012年)は25612人と大幅に減っている。子どもの人口減を考慮しても、かなりの大きな減少であろう。

  現在は町を歩くと、パトカーが「子どもの見守り」を説いて走っている。子どもたちは防犯ブザーをもつ。また、最近、小学生の女児たちが茶色のランドセルを背負っているのをよく見かけるが、保護者が「女の子だと分からない色を選ぶ」トレンドも関係しているそうだ。セキュリティは強化されている。

保護者らで満席の保育園の説明会=2014年11月、千葉県市川市拡大保護者らで満席の保育園の説明会=2014年11月、千葉県市川市
  昭和の時代、子どもだった私は何度か誘拐されそうになった。友人も「小柄な女の子だったから、小学校の頃、知らない男の人に抱えられて、さらわれそうになった。そのたびに父親や先生が”待て?!”と追いかけてきて助けてくれた」と話していた。40代以上の女性ならば、子どもの頃に怖い経験をした人は多いのではないだろうか。
しかし、少子化の時代は子どもの価値はあがり、コンプライアンス意識も高まり、犯罪からも守られている。

優先的に子どもの性犯罪被害は報道される

 昨今、子どもが性の対象になりうるという認識が広まったのはなぜか。児童ポルノが出てきたから、という意見もある。児童ポルノがあることで、子どもをエッチな目で見る人が増えたというわけだ。しかし、 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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