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リオでの女子バスケ快進撃が示す日本球技の可能性

初戦で勢いに乗った平均年齢24.7歳の若いチームが球技の新リーダーに

増島みどり スポーツライター

準々決勝の米国戦第3クオーター、シュートを阻まれる吉田亜沙美=2016年8月16日、リオデジャネイロのカリオカアリーナ拡大準々決勝の米国戦第3クオーター、シュートを阻まれる吉田亜沙美=2016年8月16日、リオデジャネイロのカリオカアリーナ
 グループリーグ最終戦となったフランスとの一戦、会場のユースアリーナには予期せぬ「ヨシダコール」が湧き起こった。ブラジル人やバスケットファンから主将の吉田亜沙美(JX-ENEOS)送られた大きな声援は、世界ランキング4位、ロンドン五輪銀メダル国のフランスに対し、終盤も衰えないスピードと展開の速さでリードを奪う日本のバスケットに、会場が魅了された証でもある。

  日本女子バスケットボール界が2004年のアテネ五輪以来12年ぶりにオリンピックに復帰を果たして臨んだグループリーグ、ベラルーシ戦で平均年齢24.7歳とリーグでもっとも若いチームが勢いの波に乗った。

  世界ランキング16位「アカツキファイブ」は、同10位と格上を77対73の僅差で振り切って今大会をスタートすると、続く2戦目は、同じくランク7位の強豪で地元の大声援を受けるブラジルを82対66と盤石の試合運びで倒して連勝。決勝トーナメントに進出するため最低条件ともいえる2勝を早くも確保し、後半戦につないだ。

  3戦目のトルコ戦は疲労も蓄積されたのか敗れたが、現在の世界ランク2位、ロンドンの銅メダル国でリオでも金メダル候補とされるオーストラリア戦は立ち直った。第4Qまでリードを続ける展開で、大金星となる時間帯まで追い詰め(86-92)、逆転を許したものの、ベスト8進出を決めた(96年以来のアトランタ五輪以来20年ぶりの入賞)。続くトーナメント初戦では4強をかけて米国と対戦。6連覇を狙う金メダル絶対候補には64-110で敗れた。

  五輪のチーム競技のシンボルとされてきた女子サッカー「なでしこジャパン」が不出場の今大会、平均身長も予選グループではもっとも低い177センチと、「フィジカル格差」を跳ね返した彼女たちの躍進は、日本の球技全体の未来に光を灯す結果をもたらしたといえる。

スピードとどこからでも打てるシュートを持ち味に体格差を跳ね返す

 好調を支えたのは、何よりもスピードにある。PGとしてゲームの流れを読んだ吉田亜沙美はフランス戦を終え「世界に対して存在感を示せるプレーをしていると思う」と、スピード、パスの正確さには自信をのぞかせた。また4試合ともに、たとえランキングが上位の国であっても「自分たちのスピードならば負けないという確信を得た」と、3大会ぶりに迎えた五輪で得た手応えを口にした。

  アメリカの米女子プロリーグWNBA「シアトル・ストーム」でプレーする渡嘉敷来夢は ・・・続きを読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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