メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

20年東京へ大きな意味もつリオパラリンピック

かつてない注目度に選手団旗手を務めるメダル候補上地結衣も驚く

増島みどり スポーツライター

 テレビカメラが並び、スポットライトが照らされる中を、車椅子に乗った若い女性が少し緊張した面持ちで通過して行く。

第32回飯塚国際車いすテニス大会女子シングルス決勝でボールを追う上地結衣選手=2016年5月22日、福岡県飯塚市拡大第32回飯塚国際車いすテニス大会女子シングルス決勝でボールを追う上地結衣選手=2016年5月22日、福岡県飯塚市
 8月30日、成田空港からリオデジャネイロパラリンピックに出場する選手、本部役員の多くが出発した。出発ロビーには過去例のない数のテレビカメラが並び、チェックインの様子も克明にとらえる。カメラの注目を一身に浴び、どこか恥ずかしそうにしていたのは、今大会で日本選手団の旗手を務める車椅子テニスのメダル候補、上地結衣(かみじ・ゆい、22=エイベックス)だった。

  先天性の脊椎障がいのため、子どもの頃、両親は「将来は寝たきりになります」と、医師に宣告を受けたという。しかし、リハビリの成果、自身の強い気持ちが患者としての人生をトップアスリートのそれに変えた。

  2012年のロンドンパラリンピックに高校3年生で初出場をすると、14年には、グランドスラムの二つのタイトルを獲得するなど、女子シングルスで初めて世界ランキング1位を獲得。男子で今大会シングルス3連覇の偉業を狙う国枝慎吾(32=ユニクロ)と共に大きな期待を集める若き女子アスリートだ。

  報道陣の数に驚きながらも、上地はカメラの前でしっかりとした口調で答えた。
「(報道陣の数に)正直、びっくりしましたが、責任を強く感じます。20年に向かって、良いものをつなげられるような結果を持って帰りたいと思います」

  今大会の結果が20年東京に向けての試金石にもなる、と力を込めて、選手それぞれの職場から見送りに駆けつける同僚もいるロビーを後にした。

  12の金メダルを含み史上最多41個のメダルを獲得したリオ五輪が終わり、息をつく間もなく現地時間7日(日本時間8日)、22競技528種目が実施されるリオパラリンピックが開幕する。

  パラリンピック、パラリンピアンにも ・・・続きを読む
(残り:約2139文字/本文:約2937文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

増島みどりの新着記事

もっと見る