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高畑裕太氏釈放で、さらに広がる女の悲劇(中)

女優はなぜ息子を見捨てられないのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

集まった報道陣を前に、謝罪の言葉を話す高畑裕太氏=2016年9月9日、群馬県警前橋署拡大集まった報道陣を前に、謝罪の言葉を話す高畑裕太氏=2016年9月9日、群馬県警前橋署
 強姦致傷容疑で逮捕された俳優の高畑裕太が不起訴、釈放となり、彼は大きなストレスを抱えているという理由で埼玉の病院に入院をした。入院先が豪華なホテルのような設備の病院であること、そして、母親の高畑淳子が布団を持ち込んで、泊まりがけで見舞いに行ったことで過保護と批判された。

 確かに20歳すぎの息子に、母親が一晩つきそうのは、密着しすぎに感じよう。

  しかし、この母親は女優という特殊な仕事をしている。息子の処遇やコンディションが、自分の仕事にダイレクトに影響するのだ。すでに、高畑淳子が出演しているCMは放映中止になっているし、9月24日から始まる舞台『雪まろげ』も、元々森光子のために書かれた脚本なので、森光子ファンから抗議の声があがっているというネットニュースの記事もアップされた。高畑淳子自身はなんら問題を起こしていないし、謝罪会見も見事にこなしたが、息子の不祥事ですっかり窮地に追い込まれている。

  なぜ、ここまで、彼女は息子に振り回されるのだろうか。

夫逮捕でも高島礼子はCM続投

  対照的なのは、高島礼子だ。元俳優の高知東生が薬物使用で逮捕された直後、花王は妻の高島礼子のCMを打ち切りにしないと発表した。高島礼子は逮捕直後の会見で、即離婚するとは明言しなかったが、夫の不祥事は彼女の仕事にはほぼ影響がなかった。夫婦は離婚すれば、他人になれるということもあろうが、最大の理由は、高知がすでに芸能界を引退しており、夫婦そろってメディアにさほど露出してなかったからだろう。高知東生の逮捕報道で、「あの二人ってまだ夫婦だったんだ」と思った人も多いはずだ。

  一方、息子の逮捕で、高畑淳子の仕事に影響が出たのは、やはり、母子で頻繁にバラエティー番組に出ていたからと思われる。

  そういった親子共演で、裕太も知名度をあげたが、大女優である淳子にも大きなメリットがあった。女傑の役を演じさせたら当代随一の大物女優は ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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