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横綱候補がいない大相撲、勢いある若手が不在

照ノ富士以外の横綱・大関は同年代で一挙退場も、大関候補の正代は素質頼み

倉沢鉄也 日鉄住金総研研究主幹

 2016(平成28)年の大相撲本場所が終わった。6場所中、5人の横綱大関が入れ替わり立替わり優勝し、優勝未経験の稀勢の里が年間最多勝(6場所69勝21敗は50年以上の歴史でワースト10入りの低調)となった。9年連続の年間最多勝だった白鵬はこの3場所優勝にからめず、「時代の終わりへ」というのが報道一般の見方であろう。では新しい時代は始まろうとしているのか。

11月場所千秋楽、鶴竜(左)に上手出し投げで敗れた豪栄道=2016年11月26日、福岡国際センター拡大11月場所千秋楽、鶴竜(左)に上手出し投げで敗れた豪栄道=2016年11月26日、福岡国際センター
  拙稿「3年後、ポスト白鵬は照ノ富士プラス群雄割拠か」(2015年11月5日)に記したとおり、照ノ富士を除く横綱大関6人は30~32歳の同世代であり、白鵬時代の終わりは、その6人全員の終わりを意味する。したがって、白鵬を除く4人(琴奨菊、日馬富士、豪栄道、鶴竜)各1回ずつの優勝は、これがキャリアのピークであることを意味する優勝だったと考える。

  そして、12勝以上の「準優勝」4場所を積み上げた稀勢の里もまた、これがキャリアのピークだと見て間違いないだろう(拙稿「稀勢の里、『最強大関』の退路なし」(下)(2016年7月29日)ご参照)。無論、11月場所の成績(平幕に3敗し優勝争いをしていない、「結果準優勝」の12勝)では1月場所が綱取り場所になるはずもない。

  白鵬は半年抱えた怪我で後半3場所を10勝→全休→11勝で終えたが、皆勤5場所での平均勝ち星12.5勝(これに次ぐのは稀勢の里11.5勝)、前半3場所の33連勝を含むただひとりの優勝2回、11月場所すら「第3位」の11勝は、衰えてなお他の横綱大関のキャリアピークと同等の力を保持していることを意味する。

  2年後、三役常連も含めた現在の上位陣が誰もいなくなった次の時代を5年程度担える横綱大関は、25歳以下の若い世代にしか期待できない。照ノ富士(25歳)は怪我に苦しみ大関確保を綱渡り(6場所33勝、最高が8勝3回)した1年だったが、幕内随一の稽古量を誇った彼が稽古不足になったことで、巧かった彼の相撲自体を下手にしてしまった節がある。それでも11月場所で見せた7連勝での「前進あるのみ」の膝に負担の少ない相撲は新活路とも見て取れ、千代の富士のように相撲を変えながら怪我を直していく時間はまだ十分残されている。

  11月場所で新小結となった御嶽海(23歳)は上位総当たりの地位で勝ち越しの気配がまだなく、 ・・・続きを読む
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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄住金総研研究主幹

日鉄住金総研(株)研究主幹。1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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