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デフレ日本でバレンタイン商戦がバブルの訳(上)

“舶来品ブランド”のステイタスが最後に通用するチョコレートの世界

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 今年の2月14日は3年ぶりに平日ということで、首都圏を中心にバレンタイン商戦が盛り上がっている。バレンタインが平日だと、仕事や学校で会った相手にチョコレートを渡さないわけにいかない。そのため、大型スーパーも百貨店も軒並み例年以上にバレンタイン商戦を盛り上げようとしている。

  大手スーパー西友(SEIYU)の東京都下の某店では「去年の3倍の品数」で勝負しているし、西武百貨店池袋本店の催事『チョコレートパラダイス2017』も初出店のブランドがずらりと並び、関東最大級の規模だ。

  先月、ドーナツ市場に関する記事を書いたが、私は10年前に飲食専門誌の仕事でグルメトレンドの取材をしていた。その取材体験を元に、記事の中で、日本のスイーツ市場は安くておいしい商品で溢れているので、アメリカのドーナツチェーンが参戦してもビジネスを展開するのは難しいと書いた。

  日本のお菓子は世界一安くておいしい。海外からの観光客はみなコンビニやスーパーで売られるお菓子に感動する。しかし、例外がチョコレートなのだ。チョコレートだけは、日本製よりヨーロッパ製の方が上と言われている。

  大手スーパーの食品売り場に行ってみよう。スーパーが自社でドイツやスイスなどから大量に仕入れ、売っているチョコレートは安くておいしい。原材料をみても、カカオマスとココアバターといった良質の材料中心だ。日本製の低価格帯のチョコレートは、ココアバターの代わりに植物油脂を使用するから風味が落ちる。

  また、百貨店で扱うような高級チョコレートは、国内産も良質な材料を使っているが、やはり味の点で、ヨーロッパ製が上にくる。これはもう技術の違いとしか説明がつかない。そして、チョコレートは、基本的に値段と味が比例することが多い。そのため、チョコレートだけはメイドインジャパンより、「舶来品」が上となる。

高級チョコレートは相場がどんどん高騰していく

  それにしても、百貨店で売られているヨーロッパブランドの高級チョコレートはどれも値段が高い。日本の市場全体はデフレで価格が下落しているが ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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