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デフレ日本でバレンタイン商戦がバブルの訳(下)

贈答品文化のメインは、お歳暮から2月14日へ

杉浦由美子

 前回は、ゴディバのマーケット分析やPR手法の巧みさについて書いた。今回はその続きとして、女性たちはなぜ、ゴディバをバレンタインに使うのかについて触れてみたい。

お歳暮にヘネシーでは昭和臭い

 製菓メーカーの明治が2017年1月6日に発表した『バレンタイン予測2017』(10代~70代男女2000人を対象に調査した結果を分析したもの)によると、アンケート結果では、バレンタインに女性がチョコレートをあげる理由は「日ごろの感謝の気持ちを伝えるため」が第1位になっている。つまり、女性が男性にチョコレートをあげても、もはや愛の告白にはならない。そのため、働く女性たちもバレンタインを大活用している。

バレンタインデーの贈り物を求める女性で、チョコレート売り場は大にぎわい=1997年2月13日、名古屋市中区栄3丁目のロフト名古屋拡大バレンタインデーの贈り物を求める女性で、チョコレート売り場は大にぎわい=1997年2月13日、名古屋市中区栄3丁目のロフト名古屋
 昨今は企業がクライアントへの接待をしない。贈答品を贈るのもコンプライアンス的に問題になりかねない。
ある製薬会社のMRの女性は、毎年バレンタインには自腹で高級チョコレートを5万円ほど購入するという。製薬業界では接待が禁止になっているが、医師から「食事に行こう」と誘われることもあり、ご馳走になってしまうこともしばしば起きる。

  それに対して、お礼をしないわけにもいかない。しかし、お歳暮にヘネシーを贈るのは昭和臭い。そこでありがたいのが、バレンタインの存在だ。私的なイベントに、チョコレートを渡すだけなので、相手も気軽に受け取れる。

  なぜ、気軽かといえば、チョコレートはどんなに高級だろうとたかが数千円の商品だし、また、形に残らない。

「消え物」が贈答品のトレンド

  前回の記事の中で、「断捨離ブーム」という言葉を出した。部屋を片付けたい、物を捨てたいというのが、今、日本人の大きなテーマになっている。経済評論家の勝間和代も「2週間で人生を取り戻す! 勝間式汚部屋脱出プログラム」(文藝春秋)という断捨離本を出しているが、その中で、こう書いている。

  「買うものを吟味し、他のもので代用できないかを考え、Inをなるべく減らすようにしても ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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