メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ハンドボール監督に切り札のアイスランド人を起用

世界最高監督に選ばれた日本をよく知る逸材、東京五輪での躍進をめざす

増島みどり

日本ハンドボール協会幹部と握手するダグル・シグルドソン監督(左から2人目)=2017年2月13日、東京都渋谷区拡大日本ハンドボール協会幹部と握手するダグル・シグルドソン監督(左から2人目)=2017年2月13日、東京都渋谷区
 東京都渋谷区にある岸記念体育会館で行われた新監督就任(2月13日)会見に、ハンドボールとしては異例ともいえる数十人の記者が集まったのは「東京」への期待感だろう。日本ハンドボール協会によると、国際ハンドボール連盟の細則により、20年東京へはすでに「開催国枠」を取得。男子は1988年のソウル以来32年ぶり(当時11位)、女子は1976年モントリオール以来実に44年ぶり(当時5位)となるオリンピック復帰が決まっている。

 他の団体球技と比較しても男女が長く五輪の舞台を遠ざかっているだけに、世界的な指導者として15年には国際連盟の「コーチ・オブ・ザ・イヤー」に選出されたダグル・シグルドソン氏(43=アイスランド籍)を日本代表監督に招聘した意図、コーチとしてどんな強化を打ち出すのか、またどんな人物かにメディアからも大きな注目が集まった。

  冒頭、監督は「初めまして、ダグルです。よろしくお願いします」と日本語で切り出し、全局のカメラが並ぶ会見に選んだ勝負服にも、日本と東京への想いが込められていた。スーツではなく、濃紺の細かな模様がまるで江戸小紋のようにちりばめられたカジュアルなシャツに、江戸小紋をモチーフにしたとされる東京五輪のロゴ入りバッジをお揃いのように胸に付けた。

  さりげない洒落たコーディネートを聞くと「このロゴはとても気に入っています。目指す場所としてきょう選びました」と、長身をかがめてバッジをこちらに見せた。

  アイスランド代表キャプテンとして活躍したほか、2000年から3年間、日本リーグの強豪・湧永製薬(広島)に在籍した。その後ドイツで約8年に渡ってクラブチームと14年からはドイツ代表を指導し、昨年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルに導いている。

  「正直、良いオファーはほかにももらっていたので周囲は日本を選んで驚いたと思う。しかし関係者は、私が日本のハンドボールにもとても興味を持っていたのを知っており激励してくれ、離れて暮らす家族(妻と子ども3人はアイスランドに)は安全で秩序のある国への単身赴任に納得してくれた」

  関係者によれば監督が受けていたオファーは世界のトップ数クラブと代表でも複数国あったそうだ。そんな中、 ・・・続きを読む
(残り:約1921文字/本文:約2881文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

増島みどりの新着記事

もっと見る