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月9になくて『タラレバ娘』にあるものとは(上)

少女漫画のドラマ化の勝敗はどうアレンジするかで決まる

杉浦由美子

   『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)が話題になり、視聴率も2桁台をキープし好調だ。東村アキコによる同名漫画のドラマ化で、放送前は原作ファンからの「キャスティングがイメージと違う」という不安の声がずいぶんと聞かれた。
しかし、放送が始まれば、原作とは違う魅力を放ったドラマになっており、多くの女性が夢中になって見ている。どこが見所かというと、昨今のドラマでは珍しく、ラブシーンがいいのだ。

  前半のクライマックスである、ヒロインの売れない脚本家・倫子が、年下のイケメンモデルKEYに誘われ、キスされて、セックスに流れるというラブシーン。中盤では、倫子の親友・小雪(AKB48出身の大島優子)が不倫相手の丸井(田中圭)とキスした後に、「バカ、嘘つき、大嫌い」と言うシーンも好評で、多くの女性視聴者が「キュンキュンする」「切ない」と共感をSNSに書き込み、複数のエンタメ系ネットニュースサイトでも取り上げられた。

  このようにドラマのラブシーンで、女性視聴者が盛り上がれるのは久しぶりなのではないか。

恋愛よりもお仕事ドラマの時代に

  昨今、恋愛ドラマは低調だ。前クール、平均視聴率21.5%を記録した『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)や12.4%と好調だった『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)は共に女性主人公のお仕事ドラマだ。また、探偵物や刑事ドラマも軒並み好調だ。

  この恋愛ドラマ不調を象徴するのが、フジテレビ系月曜日9時からのドラマ枠、月9の低迷だろう。今クールの月9『突然ですが、明日結婚します』も『東京タラレバ娘』と同様に原作はベストセラー少女漫画だ。しかし、『突然ですが、明日結婚します』は視聴率が1桁続きで、月9史上最低も記録した。

  なぜ、同じように、少女漫画原作で、美男美女のスターが出演する恋愛を描くドラマでありながら、『東京タラレバ娘』は好調で、月9は不調なのか。 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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