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ハリルホジッチ監督をUAE戦直前にインタビュー

大激戦のサッカーW杯アジア最終予選の後半初戦を前に「メンタルの役割が大きい」

増島みどり スポーツライター

サッカー日本代表のメンバー選考の意図を説明するハリルホジッチ監督=2017年3月16日拡大サッカー日本代表のメンバー選考の意図を説明するハリルホジッチ監督=2017年3月16日
  「W杯は誰も贈り物になどしてくれない。UAEは激しいプレッシャーをかけ挑発さえしてくるだろう。だから強じんなメンタルを持つグループを作らねばならない」

  スポーツに限っては「まさか」が度々起きるのと同じように、歓迎せざる「まさか」も残念ながら起きてしまうものだろう。

  UAE戦(現地23日=日本時間24日0時30分キックオフ)のメンバー発表直前、日本代表、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のインタビュー取材をJFAハウス(東京・文京区)で行った。

  監督はUAE戦(と28日ホームでのタイ戦)のメンバーを通常の23人ではなく、25人と2人多く選ぶ理由をこう話していた。

 「いつもよりも2人多く連れて行くつもりだ。色々な事態が想定されるからだ」

 試合を前に、監督が想定した中でももっとも困難な事態が起きてしまった。出場機会を奪われている現在のヨーロッパ組にあって、コンスタントに試合に出場しパフォーマンスをあげていた長谷部誠キャプテン(フランクフルト)がひざの負傷で、試合開催地・アルアインに合流しながら離脱。監督は「とても重要な選手だ。経験も豊富で存在感がある」と、一度は帯同を望んだがひざは手術を要する重傷だった。

  昨年スタートした最終予選B組(上位2カ国にW杯出場権)は前半戦が終わって1位サウジアラビア、2位日本(勝ち点10)、3位オーストラリア、4位UAE(ともに勝ち点9)と4カ国が、勝ち点わずか1差にひしめく史上稀な大激戦となっている。

  予選を勝ち抜いた過去4大会のうち初出場の1998年フランス大会予選をのぞけば、前半戦で出場チケットの行方はほぼ固まり、地力のある日本は後半になるにつれ有利になる流れだった。

  なかなかエンジンがかからないかに見える日本の戦いぶりに注目が集まるが、かつてない僅差で2枚の切符を争うライバル国の実力にも目を向けなくてはならない。監督の「色々な事態」はキャプテンを失うという困難となってしまったが、この大一番でこそ、日本代表の底力、反発力が示されるはずだ。ハリル監督と、監督指揮下ではもっともベテラン勢を多く招集した試合の意味を代表はどう受け止め、乗り越えるか。

  監督は「UAE戦で私が必要とするのは本当の勇気を持つ選手だ。攻撃においても、守備においても、怖れない選手だ」と話す。

頰を殴られるような挑発もある

  試合が行われる「ハッザーア・ビン・ザイードスタジアム」は、アブダビから車で2時間ほど離れた都市・アルアインにあるクラブ所有のスタジアムだ。収容人数だけを優先するならば他にも優れたスタジアムはあるが、現代表の選出者がもっとも多いクラブのホームスタジアムであり、収容2万6000人のこぢんまりした競技場ながら独特な音響や雰囲気で圧倒的なホーム感を生み出す。

  昨年のACL決勝でアルアインと韓国の全北現代が対戦した試合をスカウティングした監督はピッチ外の特別なアウェーを強調する。

  「スタジアムの雰囲気は恐ろしいほどだ。あの決勝で、スタンドからのプレッシャーと罵声は本当に凄かった。そこを考えたときに、経験のある選手が必要だ。厳しい状況で ・・・続きを読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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