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本田真凜、ザギトワ、坂本花織。シニアでの活躍は

高レベルの世界ジュニア選手権、トップ3の未来

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

アリーナ・ザギトワ(中央)、2位の本田真凜(左)、3位の坂本花織拡大アリーナ・ザギトワ(中央=ロシア)、本田真凜(左)、坂本花織のジュニアベスト3。シニアに上がる来シーズンでどこまで活躍できるか

 台湾の台北市で開催されていたフィギュアスケートの2017年世界ジュニア選手権も無事に終了し、今年も新しいジュニア世界チャンピオンたちが誕生した。

 男子は中国系アメリカ人、16歳のヴィンセント・ゾウ(アメリカ)がSP5位から逆転して初優勝を決めた。フリーでは4ルッツと2度の4サルコウ、2度の3アクセルを含むプログラムをノーミスで滑りきった。現在4ルッツを武器にしている男子は、ボーヤン・ジン(中国)、ネイサン・チェン(アメリカ)、そしてこのゾウと全員中国系の選手であるのは興味深い。

 ジュニア男子も、最低2種類の4回転が必要な時代に突入したようだ。

 だが4種目の中でもっとも印象的だったのは、女子のトップ3の戦いだろう。

 SPトップ3選手が、全員ノーミスのフリーを滑り、3回転ジャンプを7度ずつ降りた。ジャンプを中心に考えるなら、これほどレベルの高い試合はシニアでもめったに見ることはない。

本田真凜の2016年金メダルの重み

本田真凜.拡大本田真凜
 特にタイトル保持者としてのプレッシャーを抱えながら、本田真凜があれほどの演技を見せたことに、彼女の競技者としての無限の可能性を感じた。

 ここ数年、ジュニア女子ではロシアと日本がトップ争いを続けてきたが、ロシアが1歩も2歩も先を行っている感は否定できなかった。

 そんな中で、5年続いたロシアの連覇を止めた本田真凜の昨年度(2015―16年シーズン)の金メダルは、重みがあった。優勝候補だったポリーナ・ツルスカヤ(ロシア)が負傷して棄権したとはいえ、与えられたチャンスを逃さずにしっかりものにしたのは、彼女がトップアスリートに求められるものを、全て兼ね備えていたからこそである。

 だが今シーズン、またロシアから新たなライバルが現われた。

 ロシアの14歳、アリーナ・ザギトワだ。本田がインフルエンザで直前に欠場となったジュニアGPファイナルで、総合207.43というジュニア女子歴代最高スコアを出して優勝。ここ過去数年間、次々と出現している「ロシアの天才少女」の後継者である。

ザギトワの最大の強みは

アリーナ・ザギトワ拡大アリーナ・ザギトワ
 ザギトワの最大の強みは、ジャンプだろう。

 SP、フリーとも、前半をコンビネーションスピンとステップシークエンスで埋め、ジャンプは全て10%ボーナスポイントがつく後半に持ってくる。よほどの体力とジャンプ能力がなくては、できない構成だ。

 だがそれだけではない。 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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