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羽生結弦、宇野昌磨…杉田秀男氏が語る世界選手権

最もレベルの高い大会になった男子、試練の日本女子

田村明子

エキシビションを終え、記念撮影する(左から)宇野昌磨、羽生結弦、三原舞依拡大世界選手権のエキシビションを終えた(左から)宇野昌磨、羽生結弦、三原舞依。オリンピックシーズンはどんな活躍が見られるだろうか
 1968年から、2005年に引退するまで、フィギュアスケートの国際ジャッジとして五輪、世界選手権などでジャッジを務めてきた杉田秀男氏。テレビコメンテーターとしても活躍し、豊かな経験から導かれるその鋭い観察力、分析力でファンからも大きな支持を得ている。ヘルシンキで開かれた世界選手権の会場で、話を聞かせてもらった。

羽生結弦の長所は動きが止まらないこと

――男子フリーの結果についてどうご覧になっていますか?

杉田秀男 世界選手権は1970年から、見てない大会のほうが少ないくらい試合を見てきました。年々レベルが上がっていくのは当然だけど、ここまでレベルの高い大会は初めてでした。羽生結弦の活躍はもちろん、これまで対象にしていなかった若い選手も伸びてきた。つい2年くらい前までは、4回転を2回やったらすごいことだった。この試合では失敗したものも含めると、フリーで4回転ジャンプは合計51個もあった。それだけお客さんは喜んでいましたし、声援も偏っていなかったですね。

――優勝した羽生結弦の演技は、どうご覧になりましたか。

杉田 すばらしかった。ぼくは今まで羽生の演技を見ていて、今回ほど胸にぐんとくる演技は初めてでした。今までもいい演技はあったけれど、ああいう状況の中で、あれだけの演技をする彼の気持ちの強さ、技術。見に来て良かったと思います。

――彼の最大の長所は?

杉田 動きが止まらないところ。体の動作が流れの中でやっていくので、構えが無い。ジャッジが評価する1つは、ジャンプへの滑走準備の時間がほとんどないこと。たいていの選手は、難しいジャンプは長々と構えて準備をする。でも実際は長くなればなるほどリズムが狂うので、ミスは出やすい。ジャンプはリズムとタイミングです。彼のやっているのは簡単そうに見えるけれど、 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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