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「逃げ恥」原作完結、閉経後に処女は捨てられるか

ドラマでは回避した50女のセックスを原作コミックではちゃんと描く

杉浦由美子 ノンフィクションライター

ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングの「恋ダンス」は人気を集めた。右から2人目が石田ゆり子=2016年拡大ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のエンディングの「恋ダンス」は人気を集めた。右から2人目が石田ゆり子=2016年
 『逃げるは恥だが役に立つ』原作コミックの最終刊が発売された。大筋ではドラマと大きく違わないラストを迎えたが、ひとつだけ注目に値する差異がある。ヒロインみくりの伯母で「処女のまま閉経を迎えた」百合ちゃんの恋愛である。

 ドラマでは石田ゆり子と大谷亮平が寄り添う「ザ・トレンディドラマ」という美しいシーンで終わった。口にキスしようとする風見に百合ちゃんがうろたえ、おでこにキスしてもらうという、少女漫画か韓国ドラマかというような可愛らしいラブシーンで、この時、石田ゆり子が着用していたオレンジのダッフルコートも注目され、多くの視聴者が買おうとした。

  処女であろうとなかろうと、多くの40代50代の女性が「胸きゅん」したシーンであろう。

  女にとって年下の男性との恋愛はひとつの夢なのだろう。しかし、このシーンを見ながら、私は現実的なことを考えていた。「果たして50歳近くまで処女のままできた人がセックスできるのだろうか」ということだ。

「婦人公論」のセックス特集の意味

  女性週刊誌や「婦人公論」といった中高年向けの婦人雑誌ではセックスの記事が長年人気を博してきた。あれらの記事の面白さが分からなかった私は、取材の際、何人かの女性作家に「なぜ、中高年女性向けの雑誌ではセックス記事が多いのか」と訊いた。

  元編集者の作家は「昔から子育てが終わった50歳前後の女性はそっちに興味が行く」と説明してくれ、また、官能小説家は「記事にしろ、漫画や小説にしろ、セックスを扱うコンテンツは、現実にはできない人が読むもの。「週刊現代」の“70歳からのセックス”みたいな記事も、おじいさんたちができないから読むのであって」と力説された。

  つまり、40代以降になると ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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