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退屈させない仕掛け続けるBリーグの評価と影響力

プロ初の王者決定戦へ佳境 エンターテイメントとしての話題作りの成果

増島みどり

Bリーグを引っ張る栃木の田臥勇太主将(右)=2017年2月19日、ブレックスアリーナ宇都宮拡大Bリーグを引っ張る栃木の田臥勇太主将(右)=2017年2月19日、ブレックスアリーナ宇都宮
 レギュラーシーズンを終えた8日、各地域の代表8クラブが初代王者をかけて戦う「Bリーグチャンピオンシップ」の会見が都内ホテルで行われ、テレビカメラ10台以上、100人を超える報道陣が集まった。

  5月13日、14日の準々決勝、19日から22日の準決勝はそれぞれ2戦先勝方式のトーナメントで、27日決勝は1試合で初代王者を決める。

  8クラブからはそれぞれ注目選手がユニホーム姿で壇上に駆け付け、準々決勝のカードごとに取材に応じる。「一般向け」に、初のチャンピオンシップ、そのルールを改めてPRするとともに、ネット中継を見ている「コアなファン」には、応援するクラブのエースのコメントを聞くチャンスだ。

  さらに「メディアのために」というわけではないが、メディアが好む話題の提供も忘れない。米・高級宝飾店「ティファニー」製の初代トロフィー、約1000万円と言われるシーズン最終章のシンボルも初披露した。NBA(ラリー・オブライエン・トロフィー)、野球のWBC、NFL、テニス全米オープンも同社製。話題作りを次から次へと仕掛ける。

  NBLとbjリーグの長過ぎた断絶を経て、ようやく統一されたBリーグとして昨年9月にスタート。発足時から掲げている「Bリーグの使命」の1つ、「エンターテイメント」は、こうしたひとつの会見にも凝縮されているのがよく分かる。

  シーズン終了後の30日に行う年間表彰式にファン投票4部門を設け、一日限りの「総選挙」(10日)で直球の「イケメン賞」などの投票参加も呼び掛ける。野球、サッカーから遅れてスタートしたプロスポーツがわずか1年で、若いファンを中心に存在感を得た。

強化とビジネス 両輪での大きな成果は

  大河正明・初代チェアマンは、会見で元年の総括について聞かれると「何よりもこのチャンピオンシップを成功させ、皆さんに喜んで頂けるかが最大の課題」と、13日からの王者決定戦を前に慎重にコメントした。しかし、27日決勝の前売りは発売開始わずか10分で売り切れ。昨年のオールスターの前売り2時間での完売と比較しても爆発力がうかがえる。

  チェアマンは第一の収穫を強化とする。「リーグ発足の使命の一番は、日本バスケットボールの強化にある。その点で日本協会(JBA)会長の三屋(裕子)さん、私を含むBリーグとの連携や、日程調整や強化指針の共有といった点で成果があったと思う」

  FIBA(国際バスケットボール連盟)から無期限の出場停止処分を受けた理由は、ガバナンスの混乱だった。2つのプロリーグがあり、日本協会が連携していなかったため代表の強化は世界から大きく遅れた。統一し、どこを目指すのかが明確になり、代表合宿もクラブの理解を得てひんぱんに行われるようになった。 ・・・続きを読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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